■URL
http://www.ntt-me.co.jp/news/news2000/nws000125b.html
1月27日、株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME)は、先日発表した「マンション向け無線インターネット接続サービス」について、実際に機材を設置したマンションを会場に記者向けの「内覧会」を実施した。
このサービスは、アクセス回線と接続した「遠隔制御装置」と「親機」をケーブルで接続、親機から各室に置かれた「子機」とは無線で接続するというもの。子機からパソコンへは10Base-Tで接続する。通信速度は、構内は2Mbps、ISPへのアクセス回線はATMメガリンクなどから選ぶようになっている。費用は、50世帯のマンションの場合で1世帯あたり工事費が25,000円程度。利用料金が月額3,900円程度になるという。NTT-MEは、コーラスコンピュータ株式会社の子会社、ワイヤレスインターネット株式会社に出資しており、マンション向けサービスを2月から本格的に開始すると発表している。
内覧会は、東京都豊島区内の築9年のマンションを会場に行なわれた。最近リフォームされたばかりで、現在、一般の入居者はいない状態。会場では、まず、NTT-MEの担当者によるデモが実施された。ここでは、ワイヤレス接続での速度の速さや、同じ周波数(2.4GHz)を利用している電子レンジを同時に使った場合でも干渉されないことを実証するといったデモが行なわれた。
電子レンジを使ったデモ
|
子機「わくわくウェーブ」
|
管理人室に設置された遠隔制御装置 |
次に各装置の設置箇所が紹介された。遠隔制御装置は、1階の「管理人室」に設置されており、屋上の親機までケーブルで接続されている。そして、親機のアンテナから各戸の子機へは無線で接続するというしくみだ。なお、子機は防水加工されており、設置場所はベランダが一般的だという。デモ用に用意された4階の部屋では、ベランダに設置された機材から、室内のパソコンに接続するためのケーブルは、エアコンのダクトを利用して通していた。なお、このサービスでは、現在のところ各戸でパソコン1台までの接続しか想定されておらず、複数のパソコンで利用したいというユーザーには向いていない。ちなみに、デモに使用された部屋は16平米程のワンルームで単身者向けであった。
屋上に設置された「親機」
|
ベランダに設置された「子機」(試作品) |
ケーブルはエアコンのダクトを利用して室内へ。
|
外から見た図。左上が親機のアンテナで、各戸のベランダ右下に見える白いのが子機。
|
通常、既設のマンションでインターネット接続設備を導入するためには、分譲マンションの場合、居住者によって組織される「管理組合」の合意が必要になるなど難しい点が多い。また、賃貸マンションの場合はオーナーの意向が問題となる。これらのことから、今後このサービスは、既に所有しているマンションを「インターネット対応」にして入居者獲得を狙うマンションオーナーや、自宅でのインターネット接続が必要な社員を抱える会社の「社員寮」などでの導入が見込まれそうだ。
◎関連記事
■NTT-ME、マンション向けインターネット無線接続を正式開始
■NTT-ME、無線LANによるインターネットマンション
(2000/1/27)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]