「eグループ」の日本法人が設立されてから今月でちょうど一周年を迎えた。'99年8月に日本版のサービスがスタートしてから約5カ月。登録ユーザー数は20万人を突破し、現在も急速な勢いで利用者が増加中だ。では、「eグループ」とはどんなものかをお伝えしよう。
「1分でつくれる無料メーリングリスト!」を売り文句とするeグループだが、これだけだと「メーリングリスト作成サービスが一つ増えたのか」くらいにしか思わない人もいるかもしれない。
「eグループ」が従来のメーリングリスト作成サービスと違うのは、メーリングリストの機能の高さと、それ以外のさまざまなサービスをパッケージとして提供している点にある。しかも無料なのだ。ユーザーがメーリングリストのグループを作ると、メーリングリスト機能以外に、ボイスチャットやスケジュールリスト、共有のディスクスペース、データベース、ボイスチャットなどの機能を使うことができる。
これらの機能は、登録ユーザー(無料)になれば誰でも、WWWブラウザーから利用できる。従来のようなメール上だけでのコミュニケーションだけでなく、生の声でチャットをしたり、予定表や住所録、ディスクスペースを共有して、より親密な情報交換をすることができるのだ。
このような特徴を考えると「eグループ」が、メーリングリスト以上のコミュニケーションスペースを提供しているのがわかる。ちょうどMicrosoftの「Exchange」やLotusの「Notes/Domino」などのグループウェアがWeb上で使えるといっても過言ではないのだ。むしろ、利用範囲が企業内などのイントラネットに縛られるグループウェアに比べ、インターネット上をまたがって、グループのメンバーを広げ、活動することることができる「eグループ」の可能性はかなり大きいといっていいだろう。また、環境や価格などの問題で個人では導入しにくいグループウェアを簡単に使えるという利点もあるのだ。
では、実際に「eグループ」が提供する個々の機能を見ていこう。
【メッセージ】
「eグループ」の機能の核となるのが、このメッセージ機能。わかりやすくいってしまえば、メーリングリストの機能なのだが、メールソフトからメッセージを投稿することもできれば、Web上のフォームを使ってメッセージを投稿することもできる。受信方法は、メールやダイジェスト、Web上のみでの受信が選べる。eグループのページ上では、メッセージログがWWW上にも保存され、過去の投稿を一覧表示することもできる。検索も可能だが、残念ながら日本語には現在のところ未対応だ。投稿数の多いメーリングリストの場合などでは、投稿をいちいち受信せず、Web上から自分の見たいものだけを見る、といった使い方もできる。
【トーク】
Lipstream社の技術を使った音声によるボイスチャット機能がこの「トーク」。なお、利用するにはPCにマイクとスピーカーはもちろん、専用のプラグインが必要になる(プラグインは現在のところ、Windows版のみ)。最大200名までの参加が可能で、参加者の一人に個人的にテキストでメッセージを送ることもできる。個別にしゃべりたい相手などを見つけた場合には、周りの参加者にわからないような秘密の会話もできるようになっている。
予定表画面:スケジュールは15分刻みで設定可能。 |
【予定表】
イベントなどの予定が書き込める予定表は、参加しているメンバーなら誰でも書き込むことができる。また、グループ全体の予定表とは別に、eグループの登録メンバーは参加者個人の予定表を使うことができる。個人の予定表と参加しているグループのすべての予定表をまとめた「総合予定表」を使えば、自分のスケジュールと照らし合わせながら、グループの会合などへの参加を考えることができる。また、大事な予定を直前にメールで知らせてくれる機能もあるため、個人用のスケジュール帳としても、いろいろな活用ができるだろう。
【投票】
グループ全体での意思決定をするのに便利な投票機能。最大8つまでの選択肢を設定して、各メンバーからどれかひとつもしくは複数選択の投票してもらうことができる。オフ会の日程など、メールでやり取りするとメールが錯綜して混乱しがちなものでも、簡単に決定できとても便利だ。途中経過を公開するか、非公開にするか、誰が何に投票したかがわかる記名投票にするか、無記名でもよいかなど、きめ細かな設定ができるため、メンバー各員のプライバシーに配慮した投票もできる。
【リンク】
グループ全体で使える簡単なリンク集も作成可能。リンクの入力はタイトルとコメント、URLを入力するだけなので、とても簡単。フォルダを使った本格的な階層管理ができるので、大規模なリンク集になっても使いやすさは損なわれない。チャットなど、日本版のeグループにはない機能を追加したい場合などにも活用できる。
【データベース】
住所録やビジネスの資料などの作成が可能な簡易データベース。タイトルと項目を入力して、テンプレートを作り、各メンバーにそれぞれのデータをいれてもらうことができる。データの編集や追加などができる権限を持つメンバーの設定も簡単にできるので、重要な資料を心無いメンバーから改竄される心配もない。また、カンマ区切りなどのCSV形式のテキストをインポートすることができるため、手元にある住所録やデータなども簡単にWeb上にアップできる(CSV形式へのエクスポート機能もあり)。残念だが、現段階ではデータベースの項目名に日本語(2バイト文字)はまだ利用できなかった。
【共有フォルダ】
メンバー全体で共有できるフォルダには最大20MB分のファイルのアップロードが可能(ひとつのファイルは最大5MB)。ファイルのアップロードからダウンロード、削除までブラウザーひとつで可能なため、FTPなどが使えないパソコン初心者でも活用できる。オフ会などで撮影した写真や仕事上での重要な資料などをグループ全体で活用できる。
まずは、自分が参加したいグループを探すところから始めよう。好みのグループを探すには、カテゴリをたどっていく方法と、検索を使う方法がある。
まず、トップページにアクセスすると、「エンターテイメント・アート」、「ビジネスと金融」など、大まかにわけて14のカテゴリが出てくる。興味のある分野をたどっていくと、参加したいグループが見つかるだろう。なお、日本のeグループのトップページからグループのカテゴリーをクリックしていった場合、表示されるのは日本語のグループのみ。カテゴリーから海外のグループを捜したい場合は、米eGroupsページにアクセスしよう。
もうひとつ、グループを検索する方法もある。ただし、残念ながら現時点では日本語の検索に対応していない。英数字での検索は可能だが、この場合には、大量の海外のグループも一緒にヒットする。海外のグループを探す場合は便利だが、日本のグループを探したい場合には向かない。
なお、1月からはリクルートのISIZEと提携し、共同ブランドの「eグループ」サービスも始まった。ISIZEメールグループ( http://isize.egroups.co.jp/ )は、eグループと機能はまったく同じだが、検索のキーワードや選んだカテゴリに関連したISIZE上のコンテンツがある場合、別ウインドウにISIZEの関連ページに飛んでいけるメニューが表示される。ちょっとついでに趣味の情報収集、といった場合に便利だ。
もし、自分が参加したいグループを見つけたら、グループの画面に表示されている「参加する」ボタンをクリックしよう。すると、メールアドレスとログイン用のパスワードの入力が求められるが、eグループへ入会していない場合は、その場でユーザー登録をすることになる。ユーザー登録はいたって簡単。とりあえず、フォームにしたがって入力すると、登録確認のメールが届く。そのメールに書かれている確認用パスワードと氏名、郵便番号、国名、ログイン用のパスワードを入力するとeグループへのユーザー登録が完了する。その後、自分の選んだグループへの登録画面になり、登録するハンドルネームやユーザー情報の公開の是非、メッセージをメールで受信するか、日刊のダイジェストで読むか、Web上だけで閲覧するのかなどの設定を行なえば、入会は完了。入会したグループのメーリングリストへの投稿用のメールアドレスやグループのページのURLやグループの利用法などがかかれたメールが届く。
次の画面からはもうグループのページが表示され、メーリングリストや予定表、データベースなどの各機能を利用できるようになる。提供されている機能は、WWWブラウザーとメールだけで利用できる。
既存のグループに参加するだけでなく、自分のグループを作るのもいたって簡単だ。メールアドレスやグループ名、グループ用のメールアドレスなどをWWW上からフォームに入力し、グループを一般に公開するかなどの運営方針を決めるだけで、自分のグループの登録が完了する。1分で作るのはちょっと難しい気もするが、簡単に先にあげたさまざまな機能が使えるようになる。
ここで自分のグループに参加してほしいメンバーに案内を送り、メンバーが集まれば、簡単にコミュニケーションスペースが完成するわけだ。
メンバーの登録方法としては、管理者が直接追加することもできるし(この場合は登録ユーザーに「ごあいさつメール」が届く)、「案内」メールを出して、相手に登録してもらう方法がある。
ここで気をつけなくてはいけないのは後者のほうで、案内を送ったメンバーがグループに参加する場合、各ユーザーが自分自身でeグループに登録作業をしなくてはいけない点だ。案内には、新メンバーのあいさつ文をいれることができるが、それでも何も知らせてない友人などにいきなり案内を送っても、新しいシステムのコミュニティスペースだけに戸惑ってしまうかもしれない。事前にeグループの概要や、自分がグループを作ることを話しておいたり、案内を送るメールのフォームに詳しいことを書いておいたほうがいいだろう。
メンバーの勧誘が済んだら、後はグループのさまざまな機能を活用していこう。ここでちょっと気をつけたいのが、グループの運営方針を決める「ポリシーの設定」だ。グループへの参加を無条件に認めるのか、管理者の許可が必要か。メーリングリストへの投稿は管理者のみなのか、誰でもOKなのか、メンバーに限るのか。投稿されたメッセージを直接メンバーへ配信するか、管理者のチェックを経てからグループに配信するかなど、8つの設定項目が存在する。
これらの設定次第で、グループのメーリングリストを誰でも参加できるオープンなものとするか、限定されたメンバーだけで使うようにするか、管理者からの配信のみのメールマガジンのようなものにするかなど、自分のグループのコミュニケーションの方向性がかなり変わってくるのだ。
誤って設定すると、管理者の許可がないと投稿が反映されないなど、利用者/管理者とも慌ててしまったりもする。設定次第でメンバーのeグループの使い方が結構変わるため、グループの規模やメンバーの意向にあわせて、臨機応変にポリシーの設定を変更していったほうがいいだろう。また、設定したポリシーがどう実際の動作に反映されるかは、慣れるまでわかりづらいため、グループを大きくする前に、内輪のメンバー同士でどの設定が使いやすいかをあらかじめ決めておいたほうが、スムーズなグループ運営ができるだろう。
実際の運営を考えてみると、グループが大規模になればなるほど、従来のメーリングリストやメールマガジンのような形態にならざるを得ないのではないだろうか。予定表やデータベース、共有フォルダなどの多くの機能は基本的にすべてのグループメンバーに開放されているため、メンバーの数が多くなれば収拾がつかなくなりそうだ。
機能的には数百人、数千人といった大規模なグループで、メーリングリスト機能をメインに割り切った運営も可能だろうが、実際に「eグループ」の各機能を活用し、特性を生かしたグループの運営をできるのはアクティブなメンバーが20~30名までの、全員を把握できるグループが限度なのではないかと感じた。
まだ開設されてから日が浅いためか、日本語へのローカライズの不備(予定表の告知メールでの日付が「2000年February01日Tuesday」などとなっていたり、データベースの項目名に2バイト文字が使えない、細かい部分での文字化けなど)や、初心者がグループにグループに参加する際のわずらわしさなど、細かい点での不便さもある。また、機能が豊富なゆえか、管理者はある程度慣れるまで、少々苦労もありそうだ。しかし、無料でこれだけのサービスを利用できるのは、やはりスゴイ。実際に記事作成のためにサービスを利用している間も、グループ管理者が集まるグループなどで運営者と意見を交換がされ、それをもとに細かい不具合が修正されたり、どんどん使いやすいものに変わっていっている。
生活に密着したコミュニティスペースの運営が可能な「eグループ」。手軽に使えるグループウェアとしての側面や仲間同士でのコミュニケーションの場として、今後の更なる機能アップと使い勝手の向上を期待したい。
eグループスタッフのみなさん。 IW編:日本でサービスを行なうまでの経緯を教えて下さい。
大山:(eグループの前は)サイバーキャッシュ社で仕事をしていました。ある時に、チケット販売をしたのですが、せっかく買ってくださったお客さんとの親睦を深めていくネット上のツールというのがなかったんです。それがきっかけで汎用ソフトを使って簡単に応用をきかせられないかなと考え、週末や夜中など時間があるとネットサーフィンをして、ソフトを見つけては自分で入れて遊んでいました。
あるとき、日本全国で100人ぐらい集まって、電子マネーについて講演させていただくというチャンスがあったんです。そのとき、せっかく日本中から興味を持って集まった方がその場限りで終わってしまうのはもったいないなと思い、できるメドはなかったんですが、会社に空いているサーバーがあって、自分でメーリングリストを作ると言ってしまった(笑)。 実際にメーリングリストのサーバーを立てること自身はそんなに難しくないんですけれど、一番大きな問題は運営の管理です。仕事をしながらだと結構大変だなと思っていました。Yahoo!で無料のメーリングリストのサービスを見てみたら、3つか4つあったんですが、その頃はまだ日本の回線事情が良くなかったせいもあって、登録1,000人でうち切り、などというケースが多くて。そこで、アメリカでも調べてみたら、10ぐらいリストがでてきて、それらをチェックしていくうちにeGroupsにぶち当たったんです。
IW編:それはいつ頃のことですか?
大山:(eGroupsを)'98年9月の連休の時に見つけたのですが、eGroupsが始まったのが'98年6月で、そのときはまだ100万人もいってなかった頃ですね。簡単に作れそうだったのと自分で試しに作ってみたら、日本語がそのままメールの方に通ったんです。Web上では化けていたんですが、化け方はある程度想像がつく化け方でした。ほかにもメーリングリストだけでなく、予定表も共有フォルダもあるし、投票もできてWeb上にメールが残って検索もできるというのがすごいなぁと思って。そのときの感動たるや…(笑)。
IW編:どのようにして、話をもっていたのでしょうか?
大山:最初は、日本で夜中の1時ぐらいに、「社長宛に日本から提案したいことがあるから、メールを送りたい」という内容の電話をして、実際にメールを送ったら、その朝の6時か7時ぐらいにはメールが届いていて「話しをしよう」と。次の日に電話で話したら、すぐに来てくれということになって。でも、会社は休めないじゃないですか(笑)。11月23日が3連休だったんで、木曜日お休みをいただいて3泊4日で行ってきました。日本語の文字化けの原因がどこにあるのか、どうやって解決すればいいのかあらかじめメドをつけておきたかったんで、行く前はLinuxの本を読みまくっていましたね(笑)。
IW編:技術的なこともすべて大山さんがこなしているんですか?
大山:なんでもやっていますね(笑)。もともと大学で数学を勉強していたんです。だから、理系的な考え方は全然問題なかった。
IW編:大山さんご自身、もともとコンピュータが好きだったのですか?
大山:好きかなぁ?(笑)。 いままで人が“100”力をかけないといけなかったことが、“5”でできるということに美しさを感じるタイプです。それが世の中にとっていいことだと信じ切っている(笑)。
大学院で経済を勉強して就職してから、どちらかというと法律とか契約関係、事業としての戦略、財務と事業の関係などの仕事をしてきました。ただ、コンピュータに関しては独学です。インターネットで検索すれば、だいたいなんでも出てくるじゃないですか。師匠はインターネットですかね(笑)。でも、正確なコンピュータとしての学問は、落ち着いた時にしたいと思っています。表面的なことだけでなくて、どういうふうにすればいいソフトが書ける人材をもっと排出していく教育ができるのか。そういったことを、学んでみたいなと思っているんです。
IW編:いま日本で利用しているグループは何グループぐらいでしょうか。
大山:実際できているグループは2万4千ぐらいあるんですが、テスト的に作っているグループもあるので、実際アクティブなのは2/3ぐらいじゃないでしょうか。
IW編:1グループは、たいだいどれくらいの規模ですか?
大山:非公開の規模だと5人から10人ぐらいです。公開されているグループだと300人以上のグループが10以上あって、一番大きなグループですと、3,000人ぐらいの規模のグループができています。アメリカですとメーリングリストではなくて、メルマガ形式ですが一番大きなグループで65万人ぐらいですね。
IW編:1グループで65万人ですか!配送のシステムも大変そうですね。
大山:昨日(1月26日)ですが、瞬間的に1日に8千万通いきまして。AOLを抜いているんですね。すぐ2億通とか、3億通とかになってしまうんでしょうか(笑)。
IW編:ところで、セキュリティはについてはどのように考えているのでしょうか。
大山:基本的には、一般的なフリーメールなどと同じように、ユーザーIDとパスワードのみによるセキュリティです。Web上に載っている情報に関しては、暗号かけて保存したりということはやっていません。実際に、SSLを使ったサービスを提供するとなると有料になると思うんですが、今のところはアメリカでもやらないと思います。
IW編:イントラネット向けに、WWWを使ったグループウェアなどがでてますが、企業向けのライセンスは考えていないのでしょうか?
大山:基本的にソースを渡さなければならなくなるので、世界的にもやっていません。唯一そういう例があるのは、リクルートさんとの提携でしょうか。…といっても、クローズドではありませんが。こちらで全部サービスを提供するかわりに、共同ブランドとして行なうもので、中身は同じです。
IW編:違うところはどんなところでしょうか?
大山:トップぺージと、トップページまわりのユーザーインターフェイスですね。さすがリクルートさんだなぁと。いろいろと勉強させていただきました。
IW編:サービス内容についてお伺いします。検索の日本語対応予定を教えて下さい。
大山:グループの検索対応については、1~2カ月ぐらいのうちには対応したいと思っています。全文検索の部分はもう少し後になりそうですね。
IW編:日本でのカテゴリーメニューが始まりましたが、今後、日本独自のインターフェイスを採用していく予定などあれば教えて下さい。
大山:一番いま要望が多いのは、メールのメッセージへの連番機能です。常時接続してもコストが変わらないアメリカだと、Webで結構(メッセージなどを)見るんですよ。でも日本は基本的にメールで落としてきて見ることが多いので、連番への需要が非常に高いんです。しかし、現在のしくみではサーバーに負荷がかかってしまう。(米ONElist社と米eGroups社の)合併後の新しいしくみの後だと5分でできるということなんですが。それまではちょっと時間がかかるかなと思っています。
IW編:サーバーはすべて米国だとか。
大山:そうです。よく、日本のオフィスはなにもないと驚かれるのですが(笑)。eグループのおおもとのソースは、世界共通なんですね。表面だけ日本語に変えてあって、メールのフォーマットを日本語向けにコード変換するので、実は細かいところを直そうと思うと、ほかにも全部影響を与えてしまうんです。
日本の技術者が米国に入って一緒にやるようになったのは、12月からです。もう少し我々がしくみを理解してから、こういうふうにできないかという提案をしないとなかなか変えられない。これからですね。
IW編:最近、頻繁にバージョンアップをしているように思いますが。
eグループスタッフのみなさん。真中が、大山彰久代表取締役 大山:どうなんだろうなぁ、いろいろありますよ(笑)。治った!と思ったら、このグループでは治っていないとか。でも、日本人の技術者が米国に行きはじめて、だいぶバグは治ってきました。今後、1カ月おきぐらいに良くなっていくと思います。
IW編:iモードなどの携帯情報端末向けのサービスについては考えていますか?
大山:(米国の)社長がやるといっていました(笑)。このあたりに関しては、日本が進んでいます。日本で作ったものは世界で使えるはず。仕様を書いてみんなで話し合おうと言っているところです。
IW編:将来的に考えていることがあれば教えて下さい。
大山:まず、会社の基盤をしっかりするために、早めに公開するということが何よりの目標ですね。できれば年内には落ち着いて、アメリカに頼らなくても自分たちでしっかりやっていける財政基盤を作りたい。もう少し…週1日ぐらい休めるような形で会社を運営できるようにしたいなと。ベンチャーなんで若いときにガーッと集中してやるのはいい経験だと思うんですけれど、これが2年続くとイヤになると思うんです。ちゃんと息抜きできる体制を作っていかないといけない。なので、さらに人をふやして、ベンチャーからもう一歩アップしてもう少し会社に近い形にします。でも、会社というフレームの中で、ベンチャースピリットを忘れずに新しいことを取り組んでいけるようにしたいと思っています。
(日本の利用者は)いま20万人ですけれど、年内に100万人を達成して、2~3年で1,000万人の人に使ってもらえたらと思っています。そのときに、1,000万人という新聞なみの媒体としての力を使って、インターネットで何ができるかというのをいろいろ考えたとき、おもしろいことがたくさんできるんじゃないかなと(笑)。
IW編:楽しみにしています。どうもありがとうございました。
(2000/1/31)
[Reported by 坂田義行/junko@impress.co.jp]