国税庁はインターネットなどを利用した電子申告の実用化実験を始める方針を明らかにした。すでに昨年6月より「申告手続の電子化等に関する研究会」を発足して電子申告に向けた研究を進めており、この研究会と並行しながら、今夏にも実用化実験を行なう運びとなった。
具体的には、サラリーマンなどの一般申告、年金生活者による個人申告、企業による申告などを対象として、参加者には申告用のソフトを作成・配布。事前に提出した紙の申告書(従来のもの)と同じ内容の申告書を提出してもらう。そのステップを通して、個人や企業の電子認証やセキュリティ対策などの問題点を探り、利用者が継続して申告しやすいようなシステムを検討する。実験場所は大都市2カ所としているが、インフラ状況などを見て決めていきたいという。実験参加者は400名ほどを予定している。
実験の背景には、高度情報化社会の現状と国家的なミレニアムプロジェクトのなかで、国税庁としては電子申告を進めるべきだという考え方が強まった状況がある。今回の実験成果や研究会の報告を受け、平成15年度をメドに実用化を進める方向だ。とはいえ関係法令が改正されていないため、主体はあくまで用紙での申告にあり、電子申告は手続きの選択肢の1つとして提供するものとしている。
(2000/2/3)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp / ymasa@wizvax.net]