■URL
http://www.kana.com/press/press/000207.html
米Kana Communications社と米Silknet Software社は、合併することで合意したと発表した。合併にかかる費用は42億ドルと巨額で、ここに「顧客志向」のECソリューションを提供する巨大企業が誕生したことになる。
Kanaは、顧客とのコミュニケーションツールを軸に事業を展開してきた会社。大企業に何万通と送られてくるメールの処理や、顧客がセルフサービスで問題を解決できるようにするシステムのほか、顧客とのコミュニケーション用にインターネットを利用した音声通話、リアルタイムメッセージングなどといったサービスを提供している。
一方のSilknetは、顧客の情報を蓄積して、顧客からの接触、問い合わせがあった時点で即座に個人情報や過去の取引履歴、サポートの有無などをWebに表示するためのソリューションを提供し、マーケティング、営業、ECカスタマーサポートのすべてをパーソナライズしている。
こうした経緯から、Silknet SoftwareのCEO、Jay Wood氏が話すように「KanaとSilknetは顧客に焦点を合わせたEビジネスのためのプラットフォームを造っていくという共通のビジョンを持っていた」ことが合併の決め手となった。
両社の顧客は、Microsoft、E*TRADE、eBayなどを含む合計450サイトに上る。20の最もトラフィックを集めるサイトのうち12サイト、また、ECサイトのうち上位5社のうち4社がKanaの顧客である。
このように両社の顧客は非常に豊かだが、顧客ベースはもっと裾野が広いと考えられている。例えば、'99年6月のForrester Researchのレポートによると、顧客の情報を一元的に扱う事が重要だと考えるオンライン店舗が全体の80%にも上るにも関わらず、実際にそうしたソリューションを用意して使っているのは全体のたった2%に過ぎない。両社の事業拡大をめぐる闘いはまだまだ続くことになる。
(2000/2/8)
[Reported by taiga@scientist.com]