■URL
http://www.jp.ibm.com/fair2000/
IBMとIBMのパートナー企業約200社が一堂に会する展示会/カンファレンス「IBM総合フェア2000」が、千葉県の幕張メッセで3月1日から3日まで開催されている。3回目となる今年は「e-ビジネス最前線」をテーマにかかげ、e-ビジネスのソリューションや導入事例の紹介のほか、IBMのPC製品や同社が研究・開発した最新テクノロジーの展示も行なわれている。展示会の入場料は2,000円となっている。
e-ビジネスの先進ソリューションを紹介するコーナーでは、「Pervasive Computing」というキーワードでの展示が行なわれている。「Pervasive」は「広がる」「浸透する」といった意味。「ネットワーク・コンピューティングが生活のあらゆる面に広く深く浸透していくこと」を表わしており、PCだけでなく、あらゆる情報機器をネットワークへのインターフェイスとして活用するものだ。会場では、その一例が「NuOfficeソリューション」や「ネットワークド・ホーム」として展示されている。NuOfficeソリューションは、ファックスやコピー機から取り込んだ文書を、電子メールで送信したり、グループウェアのデータベースに取り込むというもの。ネットワークド・ホームは、その名前の通り、家庭内の情報家電をコントロールするシステム。家庭に引き込まれるCATVやISDNなどの回線にサービス・ゲートウェイを設置し、Webカメラやテレビ、PCなどをネットワーク化。ディスプレイ付きの電話でコントロールするというものだ。さらに、回線を通じてテレビやゲーム機などへコンテンツを配信したり、電力やガスのメーターなどもネットワーク化することでインターネットを通じて遠隔検針ができるようにもなるという。
同じく先進ソリューションのコーナーでは、ソニー・ミュージックエンタテイメントの音楽配信サービス「bitmusic」が展示されている。IBMの開発した「The Electronic Media Management System(The EMMS)」という配信システムを採用しており、インターネットで楽曲をダウンロードして、パソコンやメモリースティックウォークマンで再生するデモが体験できる。ソニーのサービスということでデータの圧縮技術にATRAC3が採用されているが、The EMMSでは圧縮方式は問わず、MP3で配信することも可能だという。また、音楽だけでなく、動画などのコンテンツにも対応できるとしており、動画コンテンツ配信システムの紹介も行なわれている。
IBMの最新テクノロジーを紹介するコーナーは、製品化はまだ先になるものの、ある意味では、もっとも面白い技術が見られるコーナーかもしれない。視線などの情報をもとに人間の感情を理解するというコンピュータ技術「Blue Eyes」の紹介や、ウェアラブルPC試作機体験コーナーなどが設けられている。
インターネット関連では、ユーザーの好みでWebコンテンツを自動加工する「Semantic Transcording」という技術が紹介されている。本来のコンテンツに重ね合わせる形でアノテーション(注釈)情報をサーバーに用意し、プロキシーサーバーでコンテンツを加工するというものだ。携帯電話の表示に合わせた加工や、英語コンテンツの日本語訳、コンテンツの要約、音声化などが可能になるという。動画のシーン説明やセリフ、写真や図の説明などもアノテーション情報として用意することで、マルチメディアコンテンツへの対応も可能になる。
このほか、同コーナーでは、携帯機器向けの音声合成エンジン「Web Radio」も紹介されていた。例えば、朝、自宅で携帯機器に新聞記事をダウンロードし、それを通勤途中で音声で聞けるようにするなどの利用が考えられるという。
パーソナルユース製品の展示コーナーでは、Aptiva、ThinkPadなどのPC製品やWorkPad、「ホームページ・ビルダー2001」「ViaVoice」などのソフトウェアなどが勢揃いしている。また、IBMの推進する「Edge of Network」戦略に基づいた新製品も紹介。Webベースのインターネット端末「Internet Appliance」や、一体型の省スペースPCなどのコンセプトモデルが展示されている。
なお、WorkPadユーザーなら、当日、会場でWorkPadを使った案内サービスが受けられる。専用のプログラムをインストールすることで、展示内容やセミナーのスケジュール、販売コーナーの情報が検索できるようになる。また、WorkPadを持っていない人には、特価で販売するほか、体験貸出サービスも行なわれる。
(2000/3/1)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]