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【業界動向】

Nasdaqに上場したクレイフィッシュ、初日の上昇で米国史上10位

■URL
http://www.nasdaq.com/reference/ipo_ceremony_CRFH.stm (セレモニー)
http://www.crayfish.co.jp/home/eng/

 中小企業向けの電子メール・ホスティング・サービスを手掛けるクレイフィッシュ(コード番号:4747、ティッカーシンボル:CRFH)が8日、米国Nasdaq市場に新規上場した。同社は、日本企業として初めて日米同時上場を果たす。Nasdaqで取引される日本企業としては19社目。

 1ADS(米国預託証券)の公募価格は、当初予定価格帯12~14ドルから22~24ドルに引き上げられ、結局24.5ドルに決まり6日に発表されていた。そのときの為替レートで邦貨換算すると2,646円。1普通株式=5,000ADSのため、1普通株式では1,323万円と算出でき、これは同じく6日に発表された日本での公募価格1,320万円とほぼ同じ金額だ。

 この公募価格24.5ドルに対し、8日の終値は126ドルと5.1倍の上昇。公募価格に対する初日終値の上昇では、Sycamore Networksを抜いて米国史上第10位の記録となった。8日の出来高は767万8300株。

 東証マザーズには、10日に上場する予定。Nasdaqの終値126ドルを邦貨換算して、1普通株式あたりにすると6,741万円となり、この水準がマザーズ取引でのひとつの目安となろう。Nasdaqの結果から「マザーズではなかなか初値がつかないだろう」との見方や、「1億円が目先のターゲットでは」などと囃す声が出ている。半面、「目先の業績を見れば先行投資負担が大きく、インターネット関連というプレミアムだけでどこまで上昇するだろうか」と少し冷めた見方をする向きもないことはない。

 ただし、昨年Nasdaqに上場したIIJ(ティッカーシンボル:IIJI)に続き、日本のベンチャー・インターネット企業が米国で「株価の上昇」という評価を得たことにより、今後マザーズやナスダックジャパンに上場を予定している企業のなかで、海外同時上場を計画する企業が増えるかもしれない。

米国IPO 初日の上昇記録
ランク
企業
ティッカー
シンボル
事業内容
上場日
公募価格
(ドル)
初日終値
(ドル)
上昇率
(%)
1
VA Linux Systems, Inc.
LNUX
Linux向けソフト開発 1999/12/09
30
239.25
698
2
theglobe.com, inc.
TGLO
無料HP、コミュニティ 1998/11/13
9
63.5
606
3
Foundry Networks, Inc.
FDRY
ギガビットイーサネット 1999/09/28
25
156.25
525
4
webMethods, Inc.
WEBM
eビジネスソフト 2000/02/11
35
212.63
508
5
FreeMarkets, Inc.
FMKT
BtoB 1999/12/10
48
280
483
6
Cobalt Networks, Inc.
COBT
サーバー向けソフトウェア 1999/11/05
22
128.13
482
7
MarketWatch.com, Inc.
MKTW
金融情報サービス 1999/01/15
17
97.5
474
8
Akamai Technologies, Inc.
AKAM
Web配信技術 1999/10/29
26
145.19
458
9
CacheFlow Inc.
CFLO
ネットワークキャッシュ技術 1999/11/19
24
126.38
427
10
Crayfish Co., Ltd.
CRFH
Eメール、ホスティング 2000/03/08
24.5
126
414
11
Sycamore Networks, Inc.
SCMR
光ネットワーク向けソフト 1999/10/22
38
184.75
386

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(2000/3/9)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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