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【業界動向】

“物流の株式市場”を目指す
トラック輸送のサイバー市場運営会社「イー・トレックス」設立

 グローバルロジスティクス総合研究所、第一貨物、ダイナウェア、フットワークエクスプレス、マイクロソフトの5社は、トラック輸送の需給を結びつける“物流市場”をインターネット上で運営する会社「イー・トレックス」(以下e-TReX)を、合弁で設立すると発表した。

小平社長 国内のトラック輸送の積載効率は47%弱('97年度通産省調べ)で、走行トラックの2台に1台が空荷走行の、トラック過剰の状況にある。また東京都をはじめとして、トラック業界への環境保全要求の声も高まっている。

 この現況を受け、BtoBの物流市場対象の運送取引市場運営を行ない、トラック積載率の向上による物流収支バランスの改善を目指すのがe-TReXの狙いだ。具体的には、荷主企業・元請け物流企業・実運送業者の間で、貨物の需給バランスや取引量に応じたマッチングサービスをオークション形式で提供していくものとなる。

 4月からシステム開発と実証実験を開始し、年内の本格的なサービス開始を予定。2002年度までには1万台の会員端末数を目指す。また、システムについて米National Transportation Exchange社とコンサルティング契約を結び、ビジネスモデル特許の取得を狙った展開を考えているという。

 記者会見でe-TReX代表取締役社長の小平忠氏は「現在日本の物流業界の非効率な輸送コストは約2兆円に上っている。EC化および効率化を図ることで、数年後にはここから約1兆円の利益を生み、荷主とフォワーダー(元請け物流企業)、キャリア(実運送業者)の三者に“WIN-WIN-WIN”の関係を提供できる」と述べ、このサービスが「ロジスティックのブルームバーグとなれれば」と抱負を語った。

 出資5社の役割はグローバルロジスティクスがe-TReXの立ち上げ実務、第一貨物・フットワークエクスプレスが元請け物流企業として利用拡大促進、ダイナウェア・マイクロソフトとフューチャーシステムコンサルティング(出資予定)がシステム構築・会員企業への導入支援となっている。

(2000/3/15)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp