■URL
http://www.ovum.com/ovum/news/mecpr.htm
携帯端末を利用した電子商取引「モバイルEコマース(M-Commerce)」の普及のためには、なおいくつものハードルが残されているとの調査結果を米Ovum社が発表した。
現在のM-Commerceは、「消費者不在の状態である」とOvumのシニアアナリストDuncan Brown氏は指摘する。「ごく平均的な消費者が、実際にM-Commerceサービスを今現在欲しているかどうかは、なお議論の余地があるだろう。多くの場合、サプライヤーがお金を儲けるための機会と考えており、消費者にアイディアを押しつけているだけのように思える。ビジネスユーザーがマスマーケットよりも先に最初にサービスを利用するだろうが、彼らでさえ電話やパソコンで簡単にアクセスできるサービスに、さらにプレミアムを払おうとは思わないだろう。従って、サプライヤーが長期的に生き残って繁栄していくためには、その初期のサービスはもっとターゲットがはっきりしていて、しかも魅力的なものでなければならない」と彼は説明した。
彼は、その例としてピザの注文を挙げる。「例えば、ピザを注文するときに、電話の受話器を上げるよりもモバイルアプリケーションを使おうと思わせるものは何だろうか。人々の習慣を変えるためには、著しい付加価値がなければならない。ディスカウントとか、リアルタイムにメニューが表示されるとか、ほんのいくつかのキーを押すだけでピザの種類やトッピングが選べるとか。そして話し中だったり、カウンタースタッフが働きすぎていることがないというようなことだ」
さらにこの調査結果では、M-Commerce産業が成功するためには、なおさまざまな提携が必要だろうと指摘する。今すでに成功している業界では、競合する企業同士が入り乱れて提携関係を結んでいることが多いからだ。提携関係を結ぶ企業としては、製造業者、通信キャリア、金融サービスプロバイダー、コンテンツプロバイダー、SI、インフラプロバイダーなどが含まれるだろう。
いずれにしても2003年にはモバイルデバイスの数は10億を超え、それから派生する売り上げは総額2000億ドルにまで達するとOvumでは予測しており、巨大なマーケットが存在することに疑いはない。
(2000/3/23)
[Reported by taiga@scientist.com]