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http://www.jetform.co.jp/ (ジェットフォーム・ジャパン)
ジェットフォーム・ジャパン、日本法令など6社は30日、行政機関へ提出する法令用紙を電子化してWeb上で提供するポータルサービスを開始すると発表した。「電子申請推進コンソーシアム」を組織し、申請手続きのオンライン化を促進するため共同でサービスを開発・提供していく。
現在、行政機関への申請や届出のフォームは中央省庁だけでも7,000種類以上あると言われている。その多くは紙での提出が原則となっており、内容ごとにフォームの入手先や提出先が異なっているため、ユーザーにとっては煩雑な業務が強いられている。
コンソーシアムでは、従来、日本法令が紙で提供してきたこれらのフォームをXML化し、カナダのJetForm社が提唱する技術「XML Forms Architecture(XFA)」によりインターネット上のポータルサイトで提供する。オンラインで一元的に配布することで常に最新のフォームが提供でき、ユーザー側も書類の入手・作成にかかる手間が削減できる。各フォームはWebブラウザー上から利用可能で、フォーム自体に金額の自動計算や記入漏れチェックなどの機能を備えているほか、項目ごとに記入例や説明なども用意される。また、提出窓口や目的、提出時期などからフォームを検索・表示するナビゲーションも提供する。例えば、会社を設立する際に必要な書類や年度末に提出すべき書類の一覧がわかるようになっている。なお、サービス当初はフォームの配布のみがオンライン化され、提出の際にはプリントアウトすることになる。その点ではすでに一部の自治体などで実施されているPDFファイルと同じだが、XFAではセキュリティ面なども配慮されているため、将来導入される見込みの電子政府にも柔軟に対応できるという。2001年以降、電子署名や提出・受理まで含めたオンライン化へ対応する予定だ。
サービスはまず、中央省庁の申請フォームを用意したポータルサイトについて4月より実験を開始、6月から本サービスを開始する。当初は総務部門向けのフォーム約400種が用意される。利用料金は現時点では未定だが、ユーザー数に応じて企業単位で月額料金を課す方法と、実際に利用したフォーム単位で課金する方法の2種類を予定している。このほか、地方自治体向けに、フォームやポータル機能を自治体ごとにカスタマイズしたシステムを提供するサービスも行なう。
コンソーシアムに参加するのは上記2社のほか、大日本印刷、KDD、デルコンピュータ、ECソフトウェア・ドットコム。大日本印刷は帳票設計のノウハウやICカードによるセキュリティ技術などで協力。KDDは通信ネットワーク部分や少額決済サービス「MilliCent」などを提供する。また、デルコンピュータでは、ポータル機能をバンドルしたサーバーを企業向けに販売していく。コンソーシアムでは今後、SIや通信事業者など広く参加を募る方針だ。
(2000/3/30)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]