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【特集】

ゴールデンウィークに食べに行きたい
“B級ご当地グルメ”


 このところ、ご当地ラーメンがブームとなっている。今年のゴールデンウィークは、それが目当てで旅行に出かける方も多いことと思う。しかし、このようなご当地グルメは、なにもラーメンに限ったことではない。最近では栃木県宇都宮市の餃子が広く知られるようになったが、このような日常的なメニューを名物としているところは意外に多い。いわゆる“郷土料理”としてガイドブックで大きく紹介されているものとは違う、生活に密着した日常料理である。

 ここでは、そんなローカルな料理を、失礼ながらマイナーということで“B級ご当地グルメ”としてカテゴライズ。いくつかのメニューと、それに関連するホームページとともに紹介していく。

●エスカロップ(北海道根室市)
 この耳慣れないネーミング、まるで栄養ドリンクのようだが、れっきとした主食メニューである。「ねむろWALKER」にある説明を見ると、「『エスカロップ』は、タケノコ入りのバターライスに薄切りのカツ、上にドミグラスソースがかかった根室生まれの洋食」で「40年前に根室のとあるレストランのシェフが発案した料理」なのだという。

 それが今では定番メニューとして普及。さらに、「道東情報探検隊」の「知られざる道東の真実シリーズ」というレポートによると、「根室市民で『エスカロップ』を知らない人はいないらしい。 根室市内の食堂や喫茶店で、メニューに『エスカロップ』の無い店はないらしい。釧路市内では、何故か釧路高専の学食にだけ、あるらしい」と伝えている。根室では、いかにエスカロップが日常的に食べられているということがうかがえる。

 エスカロップのルーツを知りたい人は、「インターネットねむろ会」の中の「エスカロップワールド」のコーナーを見るといいだろう。エスカロップとは「フランス語で肉や魚を薄切りにしたもの」なのだそうだ。また、「赤エスカ」「白エスカ」など、さらにディープな進化の歴史も紹介しているほか、おすすめの店も何軒かピックアップしている。

■ねむろWALKER(北海道根室支庁ホームページ)
http://www.nemuro.pref.hokkaido.jp/nw/frame.htm

■道東情報探検隊
http://diep.marimo.or.jp/index.html

■エスカロップワールド(インターネットねむろ会)
http://www.marimo.or.jp/~munenobu/nemurokai/search/eska/index.html

●豚丼(北海道帯広市)
 エスカロップと違って、「豚丼」ならば、それがどんなものが容易に想像できるはずだ。すなわち、牛丼の牛肉が豚肉に換わったものと考えればよい。

 帯広が発祥の地とされており、十勝地方以外ではあまり普及していない豚丼なるメニュー。北海道の旅情報などを集めた「旅の小部屋」ホームページによると、専門店以外にもラーメン屋、喫茶店、居酒屋などにも用意されているという。味は「ご飯の上に豚肉がのっているだけなのですが、甘辛いたれの味が絶妙」なのだそうだ。

 豚丼店をリストアップしたホームページとしては、「川原紀彦のホームページ」と「北海道の部屋」が挙げられる。川原紀彦のホームページでは、帯広市内を中心に作者のおすすめの豚丼店を簡単な地図付きで紹介している。一方、北海道の部屋では、「帯広&十勝」コーナーの中で主な豚丼店をレポート。作者の5段階評価付きで紹介している。店構えの写真と実際に出てきた豚丼の写真も掲載されている。

■旅の小部屋
http://www2.tomato.ne.jp/~tomot/index.html

■川原紀彦のホームページ
http://www2s.biglobe.ne.jp/~n_kawa/start.htm

■北海道の部屋
http://a123456789.hoops.ne.jp/

●じゃじゃ麺(岩手県盛岡市)
 盛岡の名物と言えば「わんこそば」や「冷麺」が有名だが、実は「盛岡三大麺」なる括りがあって、残りの一つが「じゃじゃ麺」ということである。盛岡観光協会のホームページ「もりおかの観光」によると、じゃじゃ麺は「ゆでた温かいうどんを皿に盛り、炒めた肉味噌をのせたもの。まわりにキュウリや生姜、ネギが添えられて、汁はありません」とあり、「メジャーなジャージャーメンとは違う」としている。食べ方は、これらをぐちゃぐちゃにかき混ぜ、「ズルズルといただくのが作法」。そして麺を食べ終わったら、その皿に生卵を割ってゆで汁を入れた「チータンタン(鶏卵湯)」というスープを飲むのがお決まりだ。

 じゃじゃ麺に関する情報が充実しているのが「GO! GO! モカパパ」というホームページ。有名専門店だけでなく、メニューにじゃじゃ麺がある食堂も含めて紹介しているのが特徴だ(ただし住所は書いてないようなので自分で調べる必要がある)。

 なお、じゃじゃ麺には注文方法や食べ方など独特の方法があるようなので、ビギナーは、「KIKA's HomePage」にあるマニュアルを一読しておくのがいいだろう。

■もりおかの観光
http://www.nnet.ne.jp/~morikan/

■GO! GO! モカパパ
http://homepage1.nifty.com/mokapapa/

■KIKA's HomePage
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Keyaki/6023/

●フライ(埼玉県行田市)
 フライと言うと、通常は、衣を付けて揚げてあるエビフライのようなものを思い浮かべるだろう。しかし、行田の「フライ」は、それとはまったく似ても似つかないモノだ。

 行田市のホームページによると、フライとは「小麦粉を水で溶き、鉄板上で薄く焼きながらネギ、肉などの具を入れる、といういわばお好み焼きとクレープの中間みたいなもの」と説明している。「そう広くない行田の街に20軒以上のフライ屋さん」があるとしており、全国的にはまったく無名ながらも、行田では広く親しまれているようだ。「彩の国さいたま魅力づくり推進協議会」のホームページ内の「うまいものMAP」でもとり上げられており、18件のフライ屋さんとその場所を確認することができる。

 ところで、行田にはフライとは別にもう一つ、「ゼリーフライ」というものがある。こちらは「ジャガイモとおからを混ぜて揚げたおやつ」(行田市ホームページ)で、別にゼリーが中に入っているわけではない。見た目はさつまあげやつきあげのようだが、食感はコロッケを柔らかくした感じに近いという。

 なお、フライはもともと農家のおやつとして親しまれたものが起源だというが、なぜそう呼ばれるようになったのかの説明は見あたらず、謎のままだ。

■行田市ホームページ
http://www.city.gyoda.saitama.jp/

■彩の国さいたま魅力づくり推進協議会
http://www.pref.saitama.jp/A09/BL00/suisinkyoHP/

●ローメン(長野県伊那市)
 その語感からも想像できるように、「ローメン」はラーメンの親戚である。「信泉会ホームページ」の中に信州の食文化を紹介するコーナーがあるが、これによると、ローメンというのは「蒸した麺にマトン肉やキャベツなどの具を一緒に甘辛く煮たラーメンと焼きそばの中間と言った感じの麺類」。伊那市にある「萬里」という店が元祖なのだという。

 伊那市のホームページには、市内のローメン店37軒を網羅した「ローメンマップ」が掲載されている。しかし、ローメンに関する情報量なら、伊那技術専門校の生徒が制作した「ローメンのホームページ」が圧巻だ。おそらく、生徒自らが取材したと思われる、伊那市とその周辺市町村の30店以上についての情報がまとめられており、リストとマップから検索できるようになっている。

■信泉会(信州の温泉を訪ねる会)ホームページ
http://www.dynax.co.jp/sinsen/index.html

■伊那市ホームページ
http://www.city.ina.nagano.jp/

■ローメンのホームページ
http://www.icon.pref.nagano.jp/usr/inacci/rohmen/

●ソースかつ丼(長野県駒ヶ根市)
 長野県の南信エリアは、“B級ご当地グルメ”ファンにはたまらないエリアだ。ローメンで紹介した伊那市のお隣、駒ヶ根市にも街をあげて取り組んでいるメニューがあるのだ。ソースかつ丼である。

 かつ丼というと、全国的には卵でとじたものが一般的だと思うが、駒ヶ根のソースかつ丼は「ご飯の上にキャベツ、その上にからっと揚げたカツを置いてソースをたっぷりかけて食べる」(「信泉会ホームページ」)ものだ。いわば、単品のとんかつの皿をそのままキャベツごとのせてしまったものと言える。さらに伊那では、スーパーでソースかつ丼用のソースも売っているのだというから徹底している。

 ソースかつ丼を食べに行くなら、駒ヶ根市のホームページや駒ヶ根商工会議所のホームページを参考にするといいだろう。駒ヶ根市のホームページには、パンフレットをスキャンした「ソースかつ丼イラストMAP」が掲載されている。一方、駒ヶ根商工会議所のホームページでは、お店の電話番号をリストアップしているほか、ソースかつ丼のレシピも紹介している。なお、市内にはソースかつ丼が食べられてるお店が40軒あるが、「ソースかつ丼会」として目印に旗を立てているというからすぐわかるはずだ。

 ところで、ソースかつ丼を食べている地域は駒ヶ根市のほかにもけっこうあるようだ。かつ丼ファンのホームページ「カツ丼倶楽部」では、都道府県ごとにかつ丼の主流を訪ねるアンケートを行なっているが、長野県のほかにも、中部、北関東あたりにソース系が分布しているのがわかる。「カツ丼倶楽部」は、駒ヶ根のソースかつ丼についても詳しい記述があるので必見だ。

 なお、参考までに記しておくが、「元祖カツ丼」というホームページによると、ソースかつ丼の元祖は福井県なのだという。駒ヶ根との違いは、かつとご飯の間にキャベツがないことだそうだ。

■駒ヶ根市ホームページ
http://www.city.komagane.nagano.jp/

■駒ヶ根商工会議所ホームページ
http://www.komacci.or.jp/

■カツ丼倶楽部
http://www2.cds.ne.jp/~sheep/kdon/index.html

■元祖カツ丼
http://www.hokuriku.ne.jp/pinsoft/

●小倉トースト(愛知県名古屋市)
 今まで紹介してきたエリアとはうって変わって、次は大都市・名古屋である。実は名古屋は、味噌煮込みうどん、味噌かつ、天むす、きしめん、コーヒー&ピーナッツ、喫茶店の“モーニング”など“B級ご当地グルメ”と言ってもいいメニューを多数かかえているエリアだ。今回は、その中から「小倉トースト」を推薦したい。その名の通り、トーストに小倉あんをサンドイッチしたものだ。

 とはいえ、残念ながら、小倉トーストにテーマを絞ったページを見つけることができなかった。小倉トーストも含め、名古屋の“B級ご当地グルメ”を解説したホームページとしては、「庶民グルメ研究室」や「名古屋の味」が充実しているので、そちらを参考にしてもらいたい。これらのページを見ると、小倉トーストがこれだけインパクトを持っていながら、それが突出しないくらい名古屋の“B級ご当地グルメ”度が高いことがうかがえる。

■庶民グルメ研究室
http://pagebank.sun-inet.or.jp/~m-saito/

■名古屋の味
http://www.sakura3.net/

●トルコライス(長崎県長崎市)
 最後は、長崎の「トルコライス」を紹介しよう。

 トルコライスに関する情報は、「viva la トルコライス」が詳しい。これによると、「トルコライスを構成する重要な要素は、1)ピラフ、2)スパゲティ、3)トンカツ」であり、「以上の要素を一つの平洋皿に1)と2)をほぼ半々に盛り、その上に3)を重なるように乗せてソースをかける」と説明している。材料自体はごく普通のものだが、「それぞれ別の皿に盛られたりでもしたらそれは単なる洋食メニューに成り果ててしまう」これらの要素を、一つの皿に盛った点がトルコライスの特徴と言えるだろう。同ホームページではこのほか、さまざまなタイプのトルコライスの写真が見られる「トルコライスギャラリー」や、おいしいお店を紹介するコーナーなどが用意されている。

 ところで、長崎名物がなぜ「トルコ」なのか? 豚肉が使われていることから、イスラム圏であるトルコが起源というわけでもないらしい。これについては諸説があり、viva la トルコライスでも紹介されているが、現時点では断定できないらしい。

 さて、長崎名物のトルコライスだが、最近では全国的にその名が知れ渡り、長崎以外でもメニューとして出している店があるようだ。「トルコライス共和国」のホームページには、「トルコライス分布マップ」なるコーナーがあり、全国からのトルコライス目撃情報が寄せられている。一方、長崎県内では、大学の学食メニューや高校の購買部にもトルコライスがあるそうだ。たしかに、食べ盛りの若者にとっては、お腹がいっぱいになる、ぴったりのメニューかもしれない。

■viva la トルコライス
http://www.geocities.co.jp/Foodpia/3439/

■トルコライス共和国
http://www.nanet.co.jp/turkey/

(2000/4/24)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp / Watchers]


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