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【業界動向】

東証、立会場跡地に情報発信スペース「東証ARROWS」オープン

■URL
http://www.tse.or.jp/cabu/

 
挨拶する副理事長
 東京証券取引所は5月9日、株式売買立会場跡地を「東証ARROWS(アローズ)」としてオープンさせる。

 東証では、迅速な売買執行や効率化、コスト削減を目的として昨年4月30日に立会場を閉鎖させた。そして、このたび「日本経済の動きを一望できる情報発信基地としての機能」、「企業と投資家の出会いの場としての機能」、「グローバル市場の一極を担うセントラルマーケットのシンボルとしての機能」の3つをコンセプトとして新たに東証ARROWSを開設した。

 東証ARROWSの施設は具体的に5つのゾーンで構成されている。まず、直径17メートルのガラスで覆われた巨大な円柱状のスペースで最も目を引くのが、取引所のマーケット部門が業務を行なう「マーケット・センター」。監理端末が置かれ、東証職員が現物、先物、オプション市場に分かれ業務を行なう。センターには70インチ16面マルチディスプレイが設置され、上半分の8画面で終値、東証ロゴ、TOPIX、日経平均の現在値と日中足グラフ、時価総額、売買高などを表示し、下半分で立会中は個別銘柄の値動き、立会時間外は世界各国の株価指数などを表示する。

 ガラスシリンダーの上部には、高さ約50センチ、長さ約50メートルのティッカー(LED表示ベルト)を内周、外周ともに設置し、個別銘柄の株価情報を表示。

 このほか、上場式典やアナリスト、プレス向け説明会が開催できる「プレゼンテーションゾーン」、企業の展示会やセミナー会場に利用できる多目的空間「オープン・プラットフォーム」、市況情報を全世界に向けリアルタイムに報道するための「メディア・センター」、投資家に企業情報などを提供するスペース「インフォメーション・テラス」などのゾーンがある。

 「プレゼンテーションステージ」の真上には「鐘」が設置されており、新規上場式典など特別なセレモニー時にのみ鳴らされるという。この鐘は、昭和3年(1928年)に東証の前身である東京株式取引所の市場館塔屋に設置され、毎日立ち会い開始の合図として昭和10年ごろまで使われていた。

 また、証券市場の歴史や仕組み、役割などを解説した「東証プラザ」(以前はここに立会人が行なう指サインを表示するロボットが置いてあったが廃棄処分された)、「東証プラザ証券史料ホール」もリニューアルして併設されている。

 一般の見学者の受け入れは5月15日から。年末年始を除く平日の午前9時から午後4時半(東証プラザは午後4時まで)まで。これまでの東証の年間見学者の最高は、平成元年の20万人。最近は当時とは比べ物にならないほど激減しているというが、今回の東証ARROWS開設で、この20万人の記録を超えたいとしている。

 一般見学者のほかで企業の利用としては、早速5月9日に日本オラクルが会社概要や戦略などについてセミナーを行なう。リキッドオーディオ・ジャパンの第3四半期決算など会社説明会も決定している。

 さらに、東証ARROWSの初のイベントとしては、東証と証券投資信託協会が共同で6月15日から17日まで「投資信託フェア」を開催する計画になっている。詳細はまだだが、セミナーなどを予定し、各日とも午前10時から午後5時まで、入場無料となる見込み。詳細が決まり次第、東証のWebサイトなどを使って告知する。

女性陣は見学者などの案内係

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[Reported by betsui@impress.co.jp]


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