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【業界動向】

米連邦取引委員会がプライバシー保護規制を議会に勧告

■URL
http://www.ftc.gov/opa/2000/05/privacy2k.htm

 米連邦取引委員会(FTC)は22日、「消費者のオンラインプライバシーを保護するには業界の自主規制だけでは不十分であり、自主規制に加えて新法の制定が必要である」と勧告する報告書を議会に提出した。同報告書では、業界の自主規制によっていくらかの進歩はみられるものの、広域的には採用されておらず、個人情報の保護や電子商取引における信頼性を確立するためには法にとる規制が必要だと結論づけている。

 同報告書には、FTCが訪問者数の多いウェブサイトにおいて調査した結果も掲載されている。同調査は、月間3万9,000人以上が訪れるウェブサイトを無作為抽出し、合わせて米国の商用サイトの中で上位100サイトについて調査を実施した。プライバシー保護の4つ基本方針「通知、選択、保護、アクセス」を実施しているサイトは、無作為抽出したサイトでは20%、上位100サイトでは42%に過ぎなかった。また、2つの不可欠な方針「通知、選択」を実施しているサイトは、前者では41%、後者では60%だった。また、プライバシー擁護団体が認定し配布するプライバシーマークを表示しているサイトは、前者ではわずか8%、後者では45%に過ぎなかった。

 このような調査結果を踏まえ、同報告書では、業界の自主規制はオンライン市場全体では功を奏していないものの、引き続き法の下で重要な役割を果たしていくだろうとしている。さらにFTCでは、自主規制に加えて法によって規制することで、消費者が電子商取引市場を完全に利用するために必要な信頼性を得ることができると結論づけている。なお、FTCは議会へのこの勧告を、投票により3対2で可決した。

(2000/5/23)

[Reported by etoh@nakajima-gumi.net]


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