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【業界動向】

法律施行もあって電子署名・認証市場が本格化~日本ボルチモア合併

■URL
http://www.baltimore.com/
http://www.cybertrust.co.jp
http://www.miti.go.jp/kohosys/topics/00000061/ (通産省、電子署名及び認証業務に関する法律骨子)

 公開鍵暗号インフラ(PKI)システム関連事業を手掛ける日本ボルチモアテクノロジーズ(BTJ)と、電子認証局(CA)ホスティングサービスを手掛けるサイバートラスト(CTJ)は30日、本年7月1日付で合併することで基本合意したと発表した。

 これは、本年3月にサイバートラストの21%株主であった米国法人GTEサイバートラストを、アイルランドのボルチモアテクノロジーズが買収したことに伴なうもの。

 合併後の存続会社は日本ボルチモアテクノロジーズとなり、資本金約30億円、社員数約100名、顧客数約200の企業となる。主要株主は、ボルチモアテクノロジーズが過半数を占め、両社の既存株主である東京電力、ソフトバンクネットワークス、東京海上、伊藤忠テクノサイエンス、野村総研、NTTドコモ、ビー・ユー・ジーなどがそのまま構成する。出資比率などは非公開。代表取締役社長には春日原 森BTJ社長が、取締役副社長には川島 昭彦CTJ社長が就任する。

 合併について川島氏は「認証局システム販売とともに認証局ホスティングサービスもあわせて展開することで、総合的PKIベンダーとして国内唯一の企業となる」と述べた。従業員数も競合他社に比べて2倍の規模になるという。顧客についても、BTJが得意としている通信業、大企業、同CTJの金融、官公庁が共有化されることで、互いの弱い部分が補われ幅広い展開が期待できるという。

 一方、春日原氏は「昨年はPKI元年と位置付けられ、本年は本格普及に向けての準備の年といえる。法律や制度の整備もあって来年はいよいよPKI市場が本格化していく」と述べ、合併はこのタイミングに合致したものだとしている。

 電子署名及び認証業務に関する法律が5月24日に成立し、2001年4月1日から施行される。郵政省、通商産業省、法務省が出した法律骨子では本法の概要は「電磁的記録に記録された情報について本人による一定の電子署名がなされているときは、真正に成立したものと推定する規定を設けているほか、認証事業者に対し、国による任意の認定制度を設けた。また、国による広報活動に関する規定も設けている」としている。

 簡単にいえば、これまで認められなかったが、電子的な署名も実際の署名や捺印と同列に扱うというもの。また、その認証業務を行なうには国の認定を受けることができるということ。施行されれば、これまでのようにインターネット上でさまざまな契約ごとを行なう際に、いちいち実際の書類をやり取りしなくてもよくなるかもしれない。

 このほかBTJは30日、日立、富士通と共同で電子認証システムにおいて証明書の発行に伴ない申請者本人を審査・確認する登録局(CA)を構築するためのソフトウェアを開発すると発表した。

(2000/5/30)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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