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【NetWorld+Interop 2000 Tokyoレポート】

ようやくサービスレベルになったxDSL
@niftyでも試験サービス提供へ

■URL
http://www.sbforums.co.jp/ni2000/

 昨年末から限定エリアでの試験サービスが次々と開始され、今後は全国への拡大も期待されるxDSLによる接続サービス。ユーザーのみならず、ベンダー側の期待も大きく、会場でも多くのxDSL関連の展示が見られた。ここでは、その中から主なものをいくつか紹介する。

 
eAccess
イー・アクセスのブース
Fujitsu
富士通のADSLモデム紹介コーナー
Xpeed
Xpeed社のUSBタイプADSLモデム(左)
xDSLといえば、N+Iではすでに2年前、企画展示コーナーを設け、注目の技術として紹介。昨年は国内向けの仕様(G.Lite Annex C)がフィックスしたことで、これに準拠したモデム製品の展示が集中した。それが今年はADSLプロバイダーの単独ブースが登場するまでになり、ようやくサービスレベルに下りてきたことが実感された。

 ブースを設けていたのはイー・アクセスで、東京都内の一部で試験提供中のADSLサービスについて紹介していた。同社はつい先日、関西支社を開設しており、7月下旬にかけて大阪エリアでのサービスも開始するほか、都内のエリアも拡大するとしている。

 さらにISP国内最大手の@niftyでも、ADSLの試験サービスを提供することが明らかになった。富士通のブース内に設けられたADSL接続デモのコーナーで紹介されている。最大速度が下り512kbps/上り224kbpsのベストエフォート型で、他のADSLプロバイダーと同様、東京と大阪の試験エリアで提供する。料金は月額7,000円程度を予定しており、6月中旬より@niftyのWebサイトで申し込みを受け付ける。

 富士通ではまた、ADSLモデムも参考出品していた。ルータ機能を持つDSUタイプのほか、接続するパソコンを1台に限定したUSBタイプを展示している。USBタイプは、幅45mm、高さ150mm、奥行き110mmで重さは300g以下。電源もUSBポートから供給されるため、非常にコンパクトにまとまっている。ケースは検討段階だとしているが、黒をベースに赤や黄色のパーツによるアクセントが入るなど、従来のADSLモデムの無骨なイメージを覆すデザインとなっている。また、展示はないが、PCカードタイプも予定しているという。ADSLモデムでは後発ベンダーとなるため、いずれの製品もプロバイダーへの導入予定はまだないとしているが、当然のことながら、@niftyでの採用が予想される。

 従来、ADSLモデムはDSUタイプが多かったが、今年は、より小型の製品も登場しはじめている。富士通以外にも、住友電気工業のブースでも同様の製品を見ることができた。同社ではすでに公衆網のADSLサービスに導入実績があるADSLモデムシステム「MegaBit Gear」シリーズを扱っているが、今回はこのUSBタイプとPCIバス接続タイプを参考出品。秋から年末にかけて出荷する予定だ。いずれもモデムとしての機能は従来のDSUタイプと同等だが、ルータおよびブリッジ機能を省いたことで、パソコン1台だけの利用に限定。小型化されるとともに、価格も低く抑えられるという。ただし、ADSLの常時接続では複数のパソコンを接続するような利用が一般的なため、今後もDSUタイプが主流になるのではないかとしている。

 このほか、米xDSLモデムベンダーのXpeed Networks社がUSBタイプのADSLモデム「XPEED 411」を展示していた。富士通のUSBタイプよりもさらにコンパクトな製品で、もともと米国仕様だった製品を国内仕様に改良したもののようだ。だいたい1台1万5,000円程度になるとしており、今後、日本法人を通じて国内のADSLプロバイダーに営業していく方針だ。オーダーメイド体制により、デザインなどの仕様の変更にも短期間で対応できるという。

(2000/6/7)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]



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