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【NetWorld+Interop 2000 Tokyoレポート】

「今年はIPv6に本格的に移行する」――村井純教授が基調講演

■URL
http://www.sbforums.co.jp/ni2000/
http://www.isoc.org/inet2000/ (INET2000)

村井、宮原両氏
右から村井氏、宮原氏

 「NetWorld+Interop 2000 Tokyo」初日には、慶應義塾大学 環境情報学部 村井純教授と、大阪大学大学院 基礎工学研究科 宮原秀夫教授による基調講演が開催された。今回の公演は、7月に横浜で開催されるインターネット関連の国際会議「INET 2000」のプレイベントと位置付けられていることもあり、通常の基調講演とは、多少趣の異なるものであった。講演のテーマは「Native Internet Developmant」で、大阪からのインターネット生中継を交えてディスカッション形式で進められた。

 生中継は、大阪朝日放送と幕張の会場を結んで行なわれた。デジタルビデオ(DV)カメラからの入力をインターネットを介して送出するというもので、中継画面は、会場の大スクリーンに映し出された。この中継では、映像データをすべて送信した場合には35Mbpsの帯域を使用するとのこと。動画は滑らかで通常の放送品質と見劣りしないものではあったが、時折パケットドロップによるノイズや音声の遅延が見られた。インターネットを利用した放送が、従来の放送に変わるものになるとするとサービス品質(QoS)がポイントとなるが、宮原氏は、次世代インターネットは「QoS制御によりサービス品質を確保する方向」と語り、「一定帯域保証されたようにみえる回線をできるだけ安い価格で提供されること」を期待するとしている。

 また、ここで、宮原氏から村井氏に対して、「いつ頃IPv6になるのか」といった質問が出された。これに対し村井氏は「IPv6の考えを出し始めていた'90年初頭に、『Mの付くOSの会社』や『Cで始まるハードのメーカー』などがIPv6をサポートしてくれれば、と話していたのだが、今年は、その2社(MicrosoftとCisco)が対応製品を出してきた」と語り、「今年は本格的にIPv6に移行する年になる」としている。


江崎氏 なお、基調講演終了後、同会場にて「INET2000」で実施されるプログラムの一部が紹介された。一つは、INET2000展示会場で行なわれる、最新技術によるアプリケーションのライブデモンストレーション「iGrid2000」。ここでは、「2,3年後に普及するであろう技術を見られる」(iGrid2000代表 江崎浩氏:写真)とのこと。また、「Network Training Workshop(NTW)」では、発展途上国のインターネット技術者を教育するためのワークショップが実施される。NTWでは、過去に2,500人以上の専門家を育てているという。今年は約150名が参加する予定。

 INET2000は、インターネットソサエティー(ISOC)主催のインターネット関連国際会議。パシフィコ横浜を会場に7月18日~7月21日にかけて開催される。

(2000/6/7)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp