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http://www.lucent.com/press/0600/000607.bla.html
米Lucent Technologiesの研究部門、Bell Labsの所長Arun Netravali氏は、シンガポールで開催された会議「CommunicationAsia2000」の基調講演で、将来の通信に大きな変化が起こることを予見した。
Arun Netravali氏は、まず「ネットワークのメガネットワークがコミュニケーションをする外皮となって地球を包み込み、至る所で膨大な帯域幅を使って通信できるようになる。その外皮には無数のセンサーや他の通信デバイスが含まれていて、およそ我々の生活に影響するものなら何でも情報を与えてくれる。そうしたデバイスには温度計、圧力計、公害探知機、カメラ、警報装置などがあるだろう」と語り、通信インフラを「地球の外皮」に例えた。
さらに、センサーやその他のデバイスをメガネットワークに接続する料金はあまりにも安くなるために、接続できるものは何でも接続するようになると指摘。2010年頃には、ネットワークに接続されたそうした通信が、人間同士の間の通信の量を上回ることを予測している。彼は、このことを先ほどの「地球の外皮」モデルとの対比で「我々の表皮が絶えず感じたデータを脳に送っているのと同じように、センサーや他のデバイスはメガネットワークにデータを送るのだ」と説明した。
続いて、同氏は、インターネットが「Hi-IQNet」(知能指数が高いインターネット)に移行していくことを予見している。これらHi-IQNetは、自然なインターフェース、動的なWebサイト、ソフトウェアエージェントを備えており、テキスト、音声、動画などから望む情報を探し出してくれる。同氏は「Hi-IQNetは、どんな言葉だろうと発音だろうと音声コマンドに反応してくれ、望む情報やサービスを探し出してくれる。あなたが自分が探そうとしていることについて非常に曖昧な考えしか持っていなかったとしてもだ」と説明した。
こうした変化の結果、Hi-IQNetは人間と情報の関係を大きく変えることが予想される。同氏は「我々は誰とでもつながり、相談することができる。例えその人がどこにいようと、ネットワークに尋ねるだけで見つけられるのだ。もし、私が中国にいる同僚と通信しようと思ったら、彼は彼の言語で答えればよく、Hi-IQNetがリアルタイムに通訳をしてくれるだろう」と語った。
Hi-IQNetは距離の概念をも変えてしまう。「仮想企業、仮想旅行、仮想会議、仮想オフィス、仮想大学、その他諸々の仮想体験によって、距離は無意味な物になるだろう」とNetravali氏は指摘した。
また、彼の最後の予見は、帯域幅ではなくサービスが顧客に代金を請求することを出来る鍵となる要素だと言うことだ。彼によれば「帯域幅は計るには安くなりすぎるからだ」そうだ。
(2000/6/8)
[Reported by taiga@scientist.com]