海中作業機器を開発販売しているBenthos社は米海軍との共同実験で、深さ400フィートの海中に潜行中の潜水艦の中と遠く離れた陸地の間で通信を確立し、インターネットにメールを送る実験に成功したことを発表した。潜水艦がこのような実用条件の下で浮上せずに通信に成功したのは初めてのこと。
この実験にはBenthos ATM 885 Telesonar Acoustic Modemが使用され、米海軍の潜水艦USS Dolphinが海中深さ400フィートから陸地の近くに設置されたブイにメッセージを送り、そのブイが陸地にメッセージを転送してインターネットの接続が完了した。海中では電波が伝播しないため、搬送波には音圧が利用された。また、海中にいる潜水艦同士がAcoustic Modemを利用してお互いに通信することも可能だった。
潜水艦はこれまで通信を確立するために浮上してアンテナを海面に突き出す必要があったが、そのために敵に位置を知られるおそれがあった。今回の実験の成功は海中における通信方法が確立したという意味で大きな意義があると思われる。
(2000/6/12)
[Reported by taiga@scientist.com]