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【イベント】

世界のIT革命推進者が一同に集結!インターネット国際会議開催

 米Cisco SystemsのCEO・Chambers氏や米Yahoo社長のYang氏、ソフトバンク株式会社社長の孫正義氏など米国・欧州・日本・アジア諸国のインターネットベンチャーのトップランナー20名が一同に介し、インターネットの最先端の潮流や今後のビジョンについて議論する「インターネット国際会議」が19日開かれた。民間シンクタンクの東京財団などが主催。

 会議では、まず、午前中に非公開で森総理大臣への政策提言のためのディスカッションを行ない、IT革命推進のための7つの提言をまとめ、首相官邸で森首相と会談を行なった。提言は以下のとおり。提言内容は21日から沖縄で開催される沖縄サミットで採択される「IT憲章」に反映される見込み。

  1. ネット市民権の確立と尊重
  2. 規制解除の徹底
  3. ビジネス・コミュニティにおけるルール作り推進
  4. 教育・リテラシーの飛躍的向上
  5. グローバルセキュリティ対策
  6. デジタルデバイド克服のためのLeapFrog(蛙飛び)開発戦略の追求・推進
  7. 政治指導者とNGOの役割強化

 その後オープンセッションが行なわれた。セッションでの議題は「規制緩和」「統治」「教育」。「規制緩和」ではChambers氏がIT推進のためには「規制緩和が不可欠であり新しいプラットホームに競争を導入していくべき」とし「古い時代の規制を新しい世界に課してはならない」と述べた。日本の規制緩和の現状について、孫氏は「政府は大企業を守り新規参入組を規制し縛っている」と痛烈に批判、G8の議長国として規制緩和に対する「強い決心」と「実行力」が求められているとした。また、慶應義塾大学の村井純教授は、政府だけでなく国民1人1人にIT推進に向けて「責任を持って欲しい」と述べた。

 「統治」ではYang氏が、インターネットという新しい社会では統治システムも新しいものを作っていかねばならないとの考えのもと、(1)国際的な統治システムの確立(2)検疫など競争が激しい産業界でも最低限のハードルを設けるなどの業界側の自主規制(3)消費者の権利の保護(4)デジタル犯罪に対する国際的抑止力―が必要とし、統治システムの構築は「グローバルな課題として捉えるべき」とした。デジタル犯罪について、慶應義塾大学の竹中平蔵教授は「犯罪に対しては厳しい取締りする一方で政府が介入することは好ましいものではない」としセキュリティとプライバシーのバランスの必要性を説いた。楽天株式会社社長の三木谷浩史氏は法律を作る側の官僚の知識が乏しいことを指摘、今現場でどのようなことが起きているかを知るためにも「企業特にベンチャーとの情報交流するべき」と述べた。

 デジタルデバイド克服の鍵となる「教育」では、途上国対策について孫氏は「G8などIT先進国が教育に対する教育をして知恵や知識を分かち合うべきであり、そのためには官民の協力が必要」と述べた。加えてYang氏は、教える側特に教育者を教育する必要性を述べた。途上国の視点からタイTelecomAsia社長のChearavanont氏は「一番貴重な資産は人であるため、人に投資をしなくてはならない。教育者は倫理面を教えていかなければならない」とし、ハード部分のインフラの整備だけでなく「心のインフラ」「知のインフラ」の整備が必要であるとした。

 最後に孫氏が「人類が作り出した知恵や知識は共通の財産である。国籍や年齢など一切関係なく知識を伝える権利・プライバシーを守る権利などが尊重される時代が来るべき」とし、権利に格差を作るべきでなく、各国がグローバルに協力し、助け合う「新しい時代」に入ろうとしている時期に来ていることを強調した。

 インターネットの発展によりデジタルデバイドだけでなく「Intrenet Tax」やビジネスモデル特許、Englishリテラシーなどまだ多くの問題が残されている。インターネット先進国は、こういった問題に対し率先して国際的なルール作りをしていかねばならない。また、日本国内に限定して考えるならば、まず何よりも永田町と民間とのインターネットに関する認識の格差を是正していく必要があるだろう。

 

慶応義塾大学竹中平蔵教授
米YahooYang社長
ソフトバンク株式会社孫正義社長

 

(2000/7/19)

[Reported by moriyama@impress.co.jp]


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