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【特集 】

いまどきの電話機・ファックスをチェック!

 めまぐるしく進化している携帯電話端末やパソコンの新製品などの動向は追っていても、家庭向けの電話機やファックスまでチェックしている人は少ないのではないだろうか。

 ネットサーフィンはできないが、実は家庭向けの電話やファックスで利用できるメール機能もなかなかのものなのだ。

 サービスやファックスの種類によっては、WordやPDFファイルを受信することができるし、手書きのメールや画像も送受信可能。場合によってはファックスをスキャナ代わりに使うこともできて、意外と便利。子供から“今日はおみやげにケーキを買ってきてね”なんてお絵かきメールが届く…なんていうシーンも増えるかも。

 どうせファックスを買うなら多機能がいい、という人や、パソコンは高いしキーボードなどもめんどう、なんて思っている人にはオススメだ。

 今回は、電子メールなどがやりとりできる、インターネット対応の電話機・ファックスにスポットを当てて、サービスや主な対応機種などをご紹介する。

 

●機能が充実!インターネットメール対応サービス

 複数のメーカーからインターネットメール対応のファックスや電話機が出ている。これらのインターネット機能は、別途サービスに加入して初めて利用できるもので、インターネットメールに関連する主なサービスは以下の5つ。まずは、それぞれのサービスをご紹介しよう。

★トラベル、グルメなどの独自のコンテンツがある

・DDI/α-ALPHA5

料金:登録料、基本料金は無料

手続きにかかる時間:数時間程度。

入会手順:申込書をファックスするほか、ファックス本体でも簡単な操作が必要。操作から1時間程度でファックス側が自動的にDDIに電話をかけ、ユーザーが利用する地域データなどを通信した後、利用できるようになる。サービスの特徴:トラベル、グルメ情報などがファックスなどで取得できる“αニュース”、α-ALPHA5ユーザーどうしがメール交換(カタカナで最大60文字)できる“α-MAIL”、インターネットを経由して海外へ安く送信できる“α-FAX”、着メロダウンロード機能などを利用できる。利用できる機能は、機種によって異なる。インターネットメールは利用不可。αEメール、おたっくすEメールなどを利用するためには、このサービスにも申し込みが必須。

主な対応機種:<ファックス>Panasonic/KX-PW76CL/55CL/36CL/16CL。brother/FAX-800CL/CLW、FAX-760HS/760CL/760、FAX-200CL、NEC/SpeaxJ22CL/J2CL/55CL/45CL。<電話機>SANYO/TEL-A7/LW61/LW71

★WordやExcelなどの添付ファイルもバッチリ!

・DDI/αEメール
http://www.dion.ne.jp/topics/aemail/index.html

料金:月額100円/1アドレス(1回線あたり3つまで可能)。10円/30秒(通話料込み)。

手続きにかかる時間:数時間程度。

入会手順:α-ALPHA5の申し込みをする際に、「αEメールのお申し込み」の欄に○を付ける。申し込みから数時間程度でオンライン通信が行なわれ、メールセンターからファックスにメールアドレスなどが自動登録される。ちなみに、特に申込書に明記はされていないが、カスタマサポートの営業時間内であれば、電話でも申し込みを受けつけてくれた。ただし夜はセンターの都合上、夜8時ぐらいまで(営業時間は9時まで)とのこと。急ぎの人は電話がいいかもしれない。

サービスの特徴:α-Eメールのセンターを経由して、電話機やファックスで電子メールの送受信ができる。電話機・FAXのダイヤルボタンで作成した文書を送信できるほか、ファックスとして、手書きの文字、絵などの他に写真などを送受信できる(*1)。ファックスから送った場合、相手には、添付ファイル(TIFF)として届く。容量制限は2MB。受信するまで30日間保存可。

(*1)
受信可能な添付ファイル:BMP、JPEG、TIFF、Microsoft Word98 文書ファイル(doc)、Microsoft Excel97 ワークシートファイル(xls)、Adobe Acrobat PDFファイル(pdf)。

主な対応機種:<ファックス>NEC/SpeaxJ30/J22CL/55CL

 

★音声(WAVE)の送受信もOK。機能は充実

・Panasonic/おたっくすEメール

http://www.kmepci.ne.jp/femhp/fframe.htm

料金:初期登録料500円。月々の基本料は無料。情報料(24時間同一)として5円/30秒。通話料が8時~23時:10円/1分、23時~8時:8.5円/1分かかる。

手続きにかかる時間:数時間程度。

入会手順:α-ALPHA5の申し込みを行なった後、本体からオンラインサインアップ。案内に従って、おたっくすEメールの申込用紙をファックスする。数分後に、オンライン通信により、センターからファックスにメールアドレスなどのデータが送られ、自動登録される。

サービスの特徴:おたっくすサーバーを経由して、ファックスで電子メールの送受信ができる。電話機・FAXのダイヤルボタンで作成した文書を送信できるほか、ファックスとして、手書きの文字、絵などの他に写真などを送受信(*2)できる。ファックスから送った場合、相手には、添付ファイル(TIFFもしくはJPEGで、選択可能)として届く。また、音声(WAVE)の送受信も可能(対応ファックスは、現在のところKX-PW76CL/PW55CL/PW36CLのみ)。容量制限は5MB。1年間保存可能で、5Mを越えた場合は受信できない。また、掲示板機能などのコンテンツもある。

(*2)

受信可能な添付ファイル:BMP、JPEG、TIFF、Microsoft Word98 文書ファイル(doc)、Microsoft Excel97 ワークシートファイル(xls)、Microsoft Power Point(ppt)、Adobe Acrobat PDFファイル(pdf)。

主な対応機種:<ファックス>Panasonic/KX-PW76CL/55CL/36CL/16CL。

 

★オプション機能が充実

・日本テレコム/でんわdeメール
http://service.japan-telecom.co.jp/homeuse/0088/acr/denwademail/index.html
http://www.japan-telecom.co.jp/PRdept/news/n990908.html

料金:初期登録料500円(1アドレス)。月々の基本料は無料。送信・受信とも、通信時間1分につき10円(全国一律・税別)かかる。

手続きにかかる時間:2日~1週間程度。

入会手順:ファックスに付属の専用申込書で申し込む(ハガキ・ファックス)。登録が完了すると、オンライン通信により、日本テレコムからファックスにメールアドレスなどのデータが送られ、自動登録される。

サービスの特徴:でんわdeメールサーバーを経由して、電話機やファックスで電子メールの送受信ができる。電話機・FAXのダイヤルボタンで作成した文書を送信できる。容量制限は対応機種によるが、INTERNET Watchのような長文は受信できない。なお、添付ファイルの受信については、オプション(登録料500円、10円/1分)を利用すれば、添付ファイル(*3)があった場合にメール文書と共にファックス用紙に出力することができる。

(*3)

受信可能な添付ファイル:BMP、JPEG、GIF、TIFF、TXT、Microsoft Word98 文書ファイル(doc)、Microsoft Excel97 ワークシートファイル(xls)、Microsoft Power Point 97(ppt)。

主な対応機種:<ファックス>SANYO/SFX-PWCL/P31CL、Panasonic/UF-A7WCL/A6CL/A5CL。<電話>Panasonic/VE-PV5J/PVM5J。

 

★独自コンテンツが充実

・シャープスペースタウン for FAX
http://www.spacetown.ne.jp/fax/index1.html

料金:初期登録料500円。月々の基本料は無料。ただし、電子メールを利用するには、オプションサービスの申し込みが必要で、月額100円。最寄りのアクセスポイントまでの利用料のほか、インターネット利用料として20円/3分かかる。有料コンテンツも多数。

手続きにかかる時間:約1~2週間程度。

入会手順:ファックスに付属の、専用申込書で申し込む(ファックス)。登録が完了すると、オンライン通信により、スペースタウンからファックスにデータが送られ、ユーザーIDや最寄りのアクセスポイントなどが自動登録される。メール機能(ふぁっぴぃEメール)を利用する場合は、申し込み用紙をシャープスペースタウン for FAXサービスから取り出し、ファックスして、登録する必要がある。

サービスの特徴:シャープスペースタウンサーバーを経由して、トラベル情報、健康情報などさまざまなコンテンツを取り出すことができる。カラー対応のコンテンツも多い。なお、他のサービスと違い、電子メールの送信は、本体から打ち込まず、すべてファックスで送信する。ファックスから送信した内容は、相手にはJPEGもしくはTIFFで届くため、iモードなどの携帯電話端末には送れない。なお、受信できる添付ファイルは、(*4)のとおり。

(*4)

受信可能な添付ファイル:JPEG、TIFF。

主な対応機種:<ファックス>SHARP/UX-E1CL/F3CL/F2CL/F2CW/F11CL/T48CL/T28(シャープの現行の機種はほとんど対応)

 

●後悔しない電話機・ファックス選び

 量販店などの電話機・ファックス売場にいくと、「メールができる」と派手にインターネット対応、メール対応と書かれたものが並んでいる。デザインで選ぶならともかく、機能で選びたい場合はどれを選べばいいのか悩んでしまう人も多いだろう。

 各サービスの主な対応機種は、先に書いたとおりだ。意外なことに家庭用の電話機では、漢字対応の電話機はまだそれほど多くなく、さらに、インターネットメールに対応しているものとなると、ほとんどないのが現状だ。

 これらに対応した機種として、電話機では、Panasonicのワイヤレスリンク VE-PV5J/VE-PVW5Jをご紹介する。

■Panasonic/ワイヤレスリンク VE-PV5J
http://www.mci.panasonic.co.jp/topics/mossy/pv5/index.html

 日本テレコムの“でんわdeメール”に対応。標準価格は42,800円。縦65mm×横132mmと大きなディスプレイが魅力だ。
 メールは、送信全角250文字、半角500文字まで。受信は全角250まで。受信箱は、60件まで保存でき、60件を越えると古いメールから削除される。
 メールの入力は、携帯電話やPHSと同様、ダイヤルボタンを押して入力する。
 また、ハンズフリー子機のバッテリー部分にはモジュラージャックの端子がついているため、隣の部屋までケーブルを引っ張ったり…などという煩わしさなしに、パソコンなどと接続できる。なお、子機が2台ついている“VE-PVW5J(標準価格63,800円)”もある。

 

メールの表示
メニューなどに出てくるキャラクターも可愛い
子機のデータポート

 

 一方で、ファックスは種類が豊富だ。コードレス電話機も付随しており、ちょっと場所はとるかもしれないが、この際ファックスを導入しようという人は、インターネットメール対応のものにしてみてもいいかもしれない。

 今回は、主に4つのサービスを利用するにあたり、三洋電機、シャープ、Panasonic、NECの4社に対応機器の貸し出しをご協力頂いた。各社の特徴や、主にメール機能を中心とした使い勝手をレポートするので、選び方の参考になればと思う。

【α-Eメール】

使用機器/NEC:Speax55CL(標準価格65,000円)

http://www.nec.co.jp/japanese/product/pcom/speax/product/product.html

NEC:Speax55CL

 α-Eメールに対応しているファックスは、現在のところNECのみ。現在3機種が対応している。カラーモデル(SpeaxJ30)を利用すれば、写真やイラストなどのカラー画像をパソコンと送受信することができることもできる。

 今回使用したSpeax55CLでは、添付ファイルがあった場合は自動的にプリントアウトされる(受信しないように設定も可能)。また、メールも発信元、タイトル、受信日などはディスプレイ上から確認できるが、本文を見る際にはプリントアウトする。

【おたっくすEメール】

使用機器/Panasonic:KX-PW76CL(オープン価格、実売価格5万円前後)
http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn000112-3/jn000112-3.html

Panasonic:KX-PW76CL

 Panasonicでは、おたっくすEメール向け(おたっくす)、でんわdeメール向け(パナファックス)に対応した機器を出している。それぞれブランド名が異なり、デザインも異なる。おたっくすEメールに対応した機種は、Panasonic以外からは出ていない。

ディスプレイ上で確認可能

 今回使用したKX-PW76CLは、おたっくすが利用できるモデルでは一番液晶が大きい。今回利用したどの機種よりも表示が美しく、見やすかった。また、機能も充実しており、WAVEファイルが送受信できるのは現在のところおたっくすEメールのみ。

 本体のメモリの範囲内なら、長いメールもOKだ。ただし、画像などを送ったりしているとすぐメモリが一杯になるため、こまめに(数通程度で)消さないとならない点はめんどうだが、画像なども含めてディスプレイ上で確認してから出力できるなど、使い勝手は非常によかった。

【でんわdeメール】

使用機器/三洋電機:SFX-C2WCL(標準価格:95,000円)
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0006news-j/0609-1.html

三洋電機:SFX-C2WCL

 三洋電機では、現在3機種がでんわdeメールサービスに対応している。今回使用したのは、カラー対応のファックス。液晶も一番広く、10文字×4行表示できる。もちろん、漢字対応だ。表示の文字も大きく見やすいが、少々ドットの荒さが気になるのも正直なところ。

メールの表示

メールの受信は、このファックス機の場合、最大99通、1通につき全角250文字までとなっている。少し長いメールを受け取ると切れてしまうのが残念。なお、ファックスと同様に手書きでメールを送りたい場合は、別途サービス(*5 FAX to PCサービス)に加入する必要があり、送り先は登録した相手に限定される。

 

 

*5)ファックス画像を電子メールの添付ファイルとして送信できるサービス。事前登録が必要(登録料・月額基本料など無料)。日本テレコムのグループ会社、日本テレコムネットワークスのサービス「インターネットダイヤル」のひとつ。

・日本テレコム
http://service.japan-telecom.co.jp/homeuse/0088/acr/netdial/index.html#001
・ 日本テレコムネットワークス
http://www.jt-networks.co.jp/idial/index.html

 

【シャープスペースタウン for FAX】

使用機器/シャープ:UX-F3CL(オープン価格、実売価格4~5万円)

http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/uxf3cl/text/50.html

コンテンツの一例
シャープ・UX-F3CL

 現在、シャープから出ているほとんどのファックスは、シャープスペースタウン for FAXに対応している。メールを送る場合も機器からは打ち込まず、送受信はすべてファックス形式。パソコンから送られたテキストデータは、シャープスペースタウンのサーバー内でファックス画像に変換される。

 登録に少々時間がかかるのは難点だが、一度登録してしまえばあまり操作に悩まずに使えるのは便利。コンテンツは、ペーパークラフトなど子供と遊べるものからレシピ、占いなど。コンテンツは無料のものも多い。

 

◎今回取り上げた各メーカーの製品情報ページ

■Panasonic
http://www.panasonic.co.jp/concept/comm/index_.html

■SANYO
http://www.sanyo.co.jp/SLE/catalog.html

■シャープ
http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/tel.html

■NEC
http://www.nec.co.jp/japanese/product/pcom/speax/

■ブラザー工業
http://www.brother.co.jp/news/fax800cl/index.html

(2000/7/31)

[Reported by junko@impress.co.jp]


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