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【業界動向】

Amazon.com、プライバシーポリシーで顧客情報提供の可能性を明記

■URL
http://www.amazon.com/privacy-notice/

 米国のオンライン小売業最大手のAmazon.comは8月31日に同社のプライバシーポリシー変更を発表し、顧客への電子メールでの通達を開始した。

 変更前のものがすでにサイトから削除されているため正確な比較ができないが、注目したいのは、顧客情報の取り扱いに関する項目だ。ここではAmazon.comが取得している顧客情報として、ユーザーが自分で入力した個人情報すべてと、サイト内動作のトラッキング(サイト移動、クリックしたURLなど)、Amazon.comからのメールを読んだかどうか、また運輸・配送会社からの情報などが挙げられている。加えて、他の企業からの顧客情報を同社の顧客情報に追加する可能性があることも示している。
 そして、“顧客情報を売買するなどの取引は行なっていないが、Amazon.comの子会社や、下記の項目で挙げた場合のみ、情報を共有する可能性がある”として、以下の項目を挙げている。

・提携企業がAmazon.comと共同でサービスや商品を販売する
・発送やメール配信、クレジットカード決済などで他の企業や個人に下請けを発注する
  (下請け業務実行のために必要な情報のみ)
・他社の代理として、Amazon.comの選ばれた顧客グループに販促・広告などのメールを送る
  (他社に個人が特定できる情報は提供されない)
・Amazon.comが買収された場合などに、同社のビジネス資産の一部として買収先などに獲得される
・法的に適切で、顧客情報を公表することで他のユーザーの安全性や権利を守れる場合(クレジット詐欺など)に、他の会社や組織と情報交換する

 上記のような状況下で顧客情報が第三者に渡る際には、顧客は情報の共有・公表を承認するかどうか選択できる通知を受け取れるとしている。また個人アカウントの設定変更やCookieの拒否などで同社へ通知する情報を少なくすることは可能だが、同社のサービスのメリットが少なくなる面もあることを指摘している。

 現在2,300万人もの顧客を抱える同社だが、最近は株価の値下がりが続くなど、投資家らの不信感が強まりつつある状況だ。今回のプライバシーポリシー変更で、同社が顧客情報を他社と取引することで利益を得るのではないかという見方が出ている。また同社は医薬品・化粧品販売のDrugstore.com、家具・家庭用品のLiving.com、自動車販売仲介のGreenlight.com、玩具販売のToysrus.comなど多くの企業と提携しており、これら提携企業と顧客情報を共有した場合、Amazon.comが非常に多くの顧客個人情報を入手している可能性も考えられる。
 なお、今回の変更はイギリス、ドイツ、フランスのAmazon.comには適用されないという。

(2000/9/7)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp / chiaki_kato@mbj.sphere.ne.jp]


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