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【特集】

ここが知りたい! 汎用JPドメイン名Q&A

 日本の「.JP」ドメイン名を管理する日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が9月に「汎用JPドメイン名」を発表した。これは、今までの「1組織1ドメイン」「ドメイン種別が必要」などの要件のいらない、「<XXXX>.JP」形式の新しいドメイン名を新設するものだ。さらに、日本語ドメイン名も可能となる。

 いわば、「.COM」ドメインと同じように使える「なんでもありドメイン」ができることになるため、特に商標やブランドなどを押さえておきたい企業や人に大きな波紋と注目を呼んでいる。

 そこでINTERNET Watch編集部では、そうした企業や人に代わり、「ここってどうなるの?」という実務面に絞った質問を読者から募集し、JPNICに尋ねた。

 

汎用JPドメイン名の取り方はどうなるの?


※以下、【Q】は編集部、【A】はJPNIC。

【Q1】どうやって取るの? 代行取得申請なしで手続きしたいけど、今までみたいに複雑なの? .comのように簡単にならないの?

【A1】JPNICへの直接の登録申請は、Webによる簡単なインターフェイスを提供する予定です。

 

【Q2】申し込んでから、何日位で使えるの?

【A2】具体的な手順については検討を続けています。なるべく短期間での利用が可能となるような形を目指しています。

 

【Q3】ドメイン名だけとってサーバーを立てないでいいの?

【A3】ドメイン名に対するDNSサーバの設定は、登録維持要件とはしません。

 

【Q4】登録料・維持費はいくら? いままでと比べて安くなるの?

【A4】どちらも数千円~1万円程度となる予定です。具体的な価格については決まり次第公開します。属性型・地域型のJPドメイン名登録料は2万円ですので、お安くなります。

 

【Q5】支払えなくなったら、即座に停止?

【A5】維持料の支払いが登録維持要件となっているので、維持料の支払いがない場合は、登録の取消しとなります。

 

【Q6】どうやって支払うの? カード決済以外の方法は?

【A6】JPNICに対する直接の支払い方法については、クレジットカード以外の支払い方法も検討しています。決まり次第公開します。

 

【Q7】誰でも取れるの? 資格はあるの?

【A7】汎用JPドメイン名を登録するために必要な条件は、日本国内に住所を持つこと、ただ1つです。

 

【Q8】取得できるドメインは、一人・一社いくつまで?

【A8】制限はありません。

 

【Q9】3文字以下の文字数でも登録可能? 最大は?

【A9】アルファベットのドメイン名は3文字以上、63文字以下です。日本語ドメイン名は15文字以下です。日本語ドメイン名の最小文字数は、11月2日公開予定の技術細則にて規定されます。

 

【Q10】卑猥な言葉や誹謗中傷などのドメインは制限されるの?

【A10】登録時には、ドメイン名の意味は審査されません。ただし、登録後に社会的許容性を欠くような状況が生じた場合、そのドメイン名は登録を取り消されることがあります。

 

【Q11】業界全体を指すような言葉は登録できるの? 例えば「百貨店.jp」とか「新聞社.jp」とか

【A11】登録できないドメイン名については、決まり次第公開します。

 

日本語ドメイン名ってどうなるの?


【Q12】ドメイン名に使用する日本語文字コードは?

【A12】日本語ドメイン名に関する技術的な内容に関しては、「汎用JPドメイン名における日本語ドメイン名に関する技術方針」( http://www.nic.ad.jp/dotjp/doc/tech-policy.html )の中で述べているとおりです。具体的には、日本語のドメイン名はUnicodeに変換され、さらにDNSで利用できるようにASCII文字列にエンコードされて、DNSに登録されます。

一方、ユーザがそのドメイン名を利用する場合、入力されたドメイン名はUnicodeに変換され、ASCII文字列にエンコードされて、DNSの問い合わせを行ないます。

 

【Q13】使える文字・使えない文字は?

【A13】JIS X 0208で規定された漢字、平仮名、片仮名、一部記号、および ASCIIの英数字、ハイフンとなっています。詳細は11月2日公開予定の技術細則の中で規定されます。

 

【Q14】次のような例は登録できるの?

  コンピュータ.jp (長音記号を使ってる)
  佐々木.jp (繰り返し記号を使ってる)
  ㈱丸丸.jp (JIS第4水準文字を使ってる)
  ☆☆☆.jp、○○.co.jp
  αβγ.jp
  (^o^).jp
  PCウォッチ.jp(全角・半角混在)
  hogehoge.co.jp(全角ドット)
  ホゲホゲ.jp (半角カナ)

【A14】実際にどの文字が利用できるかは、上で説明したように、11月2日公開予定の技術細則で規定されます。なお、従来から利用可能であった英数字と日本語は混在することが可能です。半角カナは利用できません。

 

【Q15】ひらがなとカタカナは区別されるの? 同一視されるの? 全角英字と半角英字は? 全角カナと半角カナは?

【A15】ひらがなとカタカナは区別されます。英数字の全角半角は区別されません。半角カナは利用できません。

 

【Q16】日本語ドメイン名とそれに対応するアルファベットドメイン名を取ると2つ取ったことになるの?

【A16】「impress.jp」と「インプレス.jp」は2つのドメイン名登録となります。

 

【Q17】日本語や非7bit文字の使えない環境では、アクセスしたページ中にある日本語リンクや、日本語メールアドレスはどうなる?

【A17】アプリケーションでの取り扱いについては、現在IETFで検討中です。

 

【Q18】HTMLからのリンクで、日本語をそのまま書いていいの?

【A18】アプリケーションでの取り扱いについては現在IETFで検討中です。

 

【Q19】今使っているブラウザーで問題なく使える? メールソフトは(含クリッカブルURL・クリッカブルメールアドレス)? テキストエディタなどのクリッカブルURL・クリッカブルメールアドレスは? ホームページ作成ソフトは?

【A19】アルファベットの汎用JPドメイン名は、既存のドメイン名と同様に利用可能です。日本語ドメイン名については、アプリケーションなど、クライアント側での対応が必要となります。

 

【Q20】ネットワーク管理側にはどのような対応が必要? DNSサーバー(bind等)、Webサーバー(Apache等)、メールサーバー(sendmail、qmail等)で、日本語ドメイン名や汎用JPドメイン名を使えるようにするために、ソフトや設定はどうすればいい?

【A20】アプリケーションごとに対応が異なります。

DNSサーバー: zoneファイルおよび設定ファイルをACE(ASCII文字のみで多言語ドメイン名を表現するASCII Compatible Encoding方式)に変換してください。DNSサーバーのフロントエンドとしてdnsproxyを立ててください。
Webサーバー: HTTPリクエスト中のHostヘッダを解析する部分に多言語ドメイン名対応のパッチを当てないと、特にバーチャルホストは正しく動作しません。しかし、そのようなパッチはまだ存在していません。
メールサーバー: Webサーバと同様、SMTPリクエスト中のSender/Recipientアドレスを解析する部分に多言語ドメイン名対応のパッチを当てないと、メールの配送が不可能です。そのようなパッチはまだ存在しません。

 基本的に、現状ではクライアント(アプリケーション)側で多言語ドメイン名をACEに変換してくれる(もしくはアプリケーションとサーバーの間に変換プロキシーを入れる)方式を取るのが最善です。

 

 

ドメイン名の申込みはどう調整されるの?


【Q21】商標登録されているサービスや商品があった場合、ドメイン名を取得できない場合があるの? 基準は? 何が優先されるの?

【A21】登記された名称、登録商標からのドメイン名登録ガイドラインについては、別途文書として公開する予定です。今しばらくお待ちください。

 

【Q22】従来通りドメイン名取得は早いもの勝ち?

【A22】4月2日以降は、先願の原則で申請受付をします。

 

【Q23】<XXXX>.ne.jpを所有してます。優先的に<XXXX>.jpを取ることはできるのでしょうか?

【A23】そのドメイン名が2000年3月31日までに登録されていれば、優先登録申請期間中に申請を行なうことができます。同じ名前を持つ別のドメイン名(<XXXX>.co.jp など)の登録者からも同様の優先登録申請が行なわれた場合、登録日の早い方が優先されます。

 

【Q24】もし「hogehoge.co.jp」→「hogehoge.jp」が優先されるなら、「ほげほげ.jp」は?

【A24】既存ドメイン名からの優先登録申請は、同じ文字列でのアルファベットの汎用JPドメイン名に限られます。

 

【Q25】商標を持っている企業や個人は優先的にとれるの?

【A25】登録商標に基づくドメイン名の優先登録申請を行なうことが可能です。ただし、既存ドメイン名に基づく優先登録申請の方が優先されます。

 

【Q26】自分の名前を付けたい(例:鈴木.JP)場合、他の人とぶつかる可能性が大きいけど、どのように対処するの?

【A26】同時登録申請期間であれば受付期間終了後に抽選、4月2日以降であれば先願に基づく申請処理となります。

【Q27】サイバースクワッティングなど、ドメイン名で問題が発生したとき、どのように解決するの? 何か調停委員会のようなものがあるの?

【A27】JPNIC では「JPドメイン名に関する紛争処理方針(JP-DRP)」を策定しており、これによる紛争処理機関に申し立てることができます。

 

【Q28】.comなどですでに他人が取得しているドメインと同じ名称は取れるの? 気に入ったドメインが、偶然、企業名と重なっていて訴えられた場合どうすればいいの?

【A28】.com とは異なる空間なので、.jp ドメイン名で、同じ名前を登録することは自由です。ただし、それが悪意を持って他者の権利を侵害するような登録であった場合、DRP(紛争処理方針)などの対象となる可能性があります。

 

汎用JPドメイン名導入スケジュール


 なお、JPNICによる汎用JPドメイン名導入のスケジュールは次のようになっている。

2000年11月2日…「汎用JPドメイン名登録等に関する技術細則」公開

2001年1月22日…汎用JPドメイン施行

2001年1月22日~2月23日…優先登録申請期間

2001年3月1日~3月23日…同時登録申請期間

2001年4月2日~先着順による申請受付開始

 

(2000/10/16)

[Reported by masaka@impress.co.jp]


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