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【業界動向】

大京とNTT-ME、マンション向け常時接続サービスの合弁会社
周辺の住宅に対しても無線でサービス提供

■URL
http://www.cyberhome.ne.jp/

FNJ  大手マンションデベロッパーの大京とエヌ・ティ・ティエムイー(NTT-ME)は、マンションやその周辺住宅向けにインターネットの常時接続サービスを提供する「株式会社ファミリーネット・ジャパン(FNJ)」を6日に設立し、16日より営業を開始した。資本金は4億9,000万円で、大京が55%、NTT-MEが45%出資した。大京グループの新築マンションで本年度中にサービスを開始し、3年で100万世帯への提供を目指す。

 FNJが提供するサービスの名称は「CYBERHOME」。マンションまで光ファイバー網を敷設するとともに、建物内をHomePNAで接続。最大1Mbpsの通信環境を月額2,980円から提供する。また、マンション周辺の住宅についても半径400mを無線LANによりカバーし、同様の接続サービスを月額4,980円から提供する。まずは大京グループの新築マンションに導入し、2001年の4月以降、既存のマンションに提供していく。さらに、大京グループ以外のデベロッパーについてもサービスを呼びかけていく計画だ。

 初期費用はマンションの加入者1戸あたり1万円からで、このほかHomePNA用のアダプターが1万5,000円で買い取りとなる。一方、周辺住宅向けサービスは、初期費用が1戸あたり3万5,000円からで、このほか工事費が必要となる。なお、マンション向けサービスの月額料金である2,980円は、マンションの「管理組合による一括加入方式」の場合の料金で、全戸分の初期費用が発生する。これに対し、一括加入について管理組合の承認が得られない場合などは入居者の「個別加入方式」となり、初期費用は加入者だけに発生。ただし、月額料金が3,980円からと割高になる。

 接続サービスのほか、専用ポータルサイトも開設し、コンテンツやECサービスなどを提供する。NTT-MEが広帯域コンテンツ配信サービスを提供するほか、インターネット電話サービスも予定している。ECについては、全国規模のオンラインショップだけでなく、地域のスーパーや飲食店などと提携し、日用品や食品のデリバリーサービスなども展開する考えだ。また、新築マンションについては、従来居住者向けに提供していた「宅配ロッカー」などを周辺住民にも開放することで、コンビニエンスストアに代わるECの拠点として提案していく考えも示された。

 従来、マンションで提供される常時接続サービスは、そのマンションを差別化するための付加価値サービスという意味あいが強かった。これに対しFNJのCYBERHOMEは、大京グループだけでなく、他のデベロッパーにも展開していくという点で異なっている。この点について大京常務取締役の柴田貢氏は、マンションが、一戸建て住宅を手に入れるまでの仮住まいという認識は終わり、共同住宅のメリットを生かしたマンションの位置づけを業界として変えていく時期に来ていると指摘。そのための「かじとり」をしていくのが、マンションデベロッパーとしての義務だと説明した。これにより、FNJには大京の名前を冠さず、オープンスタイルを方針とすることにしたとしており、すでにいくつかのデベロッパーと前向きな検討に入っているという。

(2000/10/16)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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