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米Xeroxは6日、同社のPalo Alto Research Center(PARC)で研究した成果をもとに、ベンチャー企業Gyricon Mediaをスピンアウトした。Gyricon Mediaは電子的に再利用できるいわゆる「電子ペーパー」を製造することになる。
この新しい紙は、店舗の中のディスプレーやプロモーション用に使われたり、将来的には出版物やPDAなどの表示装置として使われることも見込まれている。この紙は薄く軽くそして安価に製造でき、何段階も再利用できるというメリットがある。
Gyricon MediaのCEOで、XeroxのPARCの部長でもあるBob Sprague氏は「電子的に再利用可能な紙はまさに未来の紙だ。それは人々が印刷について考える考え方を危機的に変え、店舗が顧客に対して値段やプロモーションや他の情報を伝える仕方を全く変えてしまうだろう」とコメントしている。
Gyricon Mediaの最初の製品は来年発表される予定で、Xeroxはこの会社の過半数の株式を保有し続けることになる。
電子ペーパーを巡っては米E Inkが最初に商用化し、最近では米Lucent Technologiesと提携してプラスチックトランジスターの利用による高性能化を目指している。また、日本でもキヤノンが独自の方法で開発した表示装置を展示会に出品している。
(2000/12/7)
[Reported by taiga@scientist.com]