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インターネット企業の間では、損失の広がりや、キャッシュフローの滞りなどで投資を受けるのが難しくなっている状況だが、インターネット業界のいくつかの分野では、市場価値が回復あるいは成長すらしているということが米Mercer Management Consultingの調査によって明らかになった。この調査は、米国内の400以上とヨーロッパの200以上のインターネット企業に対する調査をまとめたものだ。
Mercer Management Consultingは、インフラ関連のハードウェア企業が米国内でグループとしては全体の市場価値を今年3%上昇させたことを発見した。またセキュリティーソフトウェアの分野においては、その市場価値を維持することができたという。しかしながら、B2CEコマース企業の間では株式価値を70%以上減らし、B2Cポータル、B2Bマーケットプレイス、ASPの間では80%も市場価値を減らした。
また、利益を上げている企業の市場に占める割合も調査された。今年2月の段階で利益を上げているインターネット企業は12%で、これらの市場価値はインターネット企業全体の市場価値の38.5%を占めていた。それが11月になると黒字のインターネット企業は14%とほぼ変わらないが、その市場価値が全体に占める割合は56%にまで上昇していたのである。
一方、ヨーロッパのインターネット企業は、米国に比べると市場価値の減少の割合は少ない。しかしながら黒字のインターネット企業は市場価値の22%にとどまっており、この数字を米国と比べると、もしかしたらこの先に問題が待ち構えているのかもしれない。
さらにベンチャーキャピタルについては、彼らの投資方法は市場の動きと連動しているように見えるが、1つの例外がある。ベンチャーキャピタルはB2B分野に不相応なまでの大量の資金を投入している。これはB2B企業の株式市場における成績には不釣り合いと言えよう。
なお、今年2000年のインターネット企業の正面の損失額は去年の倍になることが予測される。
(2000/12/15)
[Reported by taiga@scientist.com]