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【通信事業】

NTT東西、最大10Mbpsの“フレッツ・光”試験サービス提供へ

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http://www.ntt-east.co.jp/release/0012/001218a.html
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 NTT東日本とNTT西日本は18日、最大10Mbpsの高速通信が可能な、光ファイバーを利用したインターネット接続向けの定額アクセス回線サービス「光・IP通信網サービス(仮称)」を、東京と大阪の一部エリアにおいて試験提供すると発表した。26日より受付を開始する。6カ月の試験提供を経たのち、本格提供に移す予定だ。

 光・IP通信網サービスは、「フレッツ・ISDN」や「フレッツ・ADSL」のアクセス回線部分を光ファイバーに置き換えたもの。試験段階のため現時点ではこのような名称は用いていないが、いわば“フレッツ・光”とでも呼べるサービスだ。加入者宅に光ファイバーの回線終端装置を設置し、収容ビルと光回線で接続、収容ビルから先は地域IP網を経由してISPに接続する。

 通信速度は最大10Mbpsのベストエフォート型で、この帯域を何人のユーザーでシェアするかによって3種類のメニューが用意される。10Mbpsを最大256ユーザーでシェアする「基本メニュー」が1ユーザーあたり月額料金1万3,000円/初期工事料2万7,100円、最大32ユーザーでシェアする「高スループットメニュー」が月額料金3万2,000円/初期工事料2万7,100円。いずれも、収容局までは1世帯につき1本の光回線が割り当てられる。これに対し「集合住宅向けメニュー」は、10Mbpsを最大768ユーザーでシェア。収容局から建物までの回線も1本の光回線を共有する形となり、そこから先を建物内LANなどで各世帯に分配する。月額料金3,800円/初期工事料1万1,900円で、既存のLAN配線がない場合には月額利用料1,200円程度/初期工事料8,100円程度を別途追加することでHomePNAによる分配サービスも提供する。契約料は、3メニューとも800円。なお、集合住宅向けメニューは、建物ごとに10契約以上見込まれる場合に提供されるもので、管理組合などからの申込受付となる。

 接続先となるISPについては、フレッツ・ISDNやフレッツ・ADSLと同様、ユーザーが契約している複数のISPから選択することができるが、対応するISPについては発表されていない。ただし、NTT東日本によると、フレッツ・ADSLの対応を希望しているISPと同じくらいの数のISPが、光・IP通信網サービスへの対応を希望しているという。また、ISP側の光・IP通信網サービス対応メニューの料金設定については、今日のNTT東西の正式発表を受けて、ISP各社が決定することになるとしている。

 提供エリアは、東京が霞ヶ関/青山/三田などNTTの8収容ビル管内、大阪が大阪中央/船場など6収容ビル管内。試験期間のユーザー数は、それぞれ東京が2,000程度、大阪が1,500程度を予定している。試験終了後は、2002年度中に全国の政令指定都市へ、2003年度中に県庁所在地へエリアを拡大する計画。それ以外のエリアへのサービス提供については現時点では考えていないとしており、需要を見ながら検討していく。

 光・IP通信網サービスにはこのほか、地域IP網を経由してISPに接続する“フレッツ”タイプのサービス以外に、NTTの収容局単位でISPと接続するサービスも用意された。地域IP網を利用しない分、月額料金が1万1,000円と安価になるが、現時点でこちらのタイプでの接続を希望しているISPはないという。

 光ファイバーをアクセス回線として利用する定額制インターネット接続サービスとしては、有線放送最大手の有線ブロードネットワークスと同社子会社のユーズコミュニケーションズが、東京都内の一部エリアで試験サービスを開始しており、2001年4月から、月額4,000~5,000円程度で本サービスを提供する計画だ。有線ブロードのサービスも通信速度は最大10Mbpsだが、月額料金は光・IP通信網サービスの半分以下。これについて、NTT東日本では「現時点で有線との価格競争力はない」(古賀哲夫営業部長)と認めており、「今後下げる努力をする」としている。対象とするユーザー層については、「OCNエコノミーを使っている一般ユーザーもいる」ということで、SOHOなどの企業ユーザーだけでなく、一般の個人ユーザーも視野に入れているという。

 なお、NTT東西では同日、学校におけるインターネット利用を想定した、学校向け特別料金についても発表した。光・IP通信網サービスの基本メニューを月額3,900円で、高スループットメニューを月額9,600円で提供するほか、専用サービスや「フレッツ・ADSL」などについても安価な料金を設定した。専用サービスの「ディジタルアクセス1500」が、光・IP通信網サービスと同様に現行料金の7割引となるほか、「ディジタルアクセス128」「ディジタルアクセス64」「フレッツ・ADSL」がそれぞれ5割引となる。それぞれ、2001年1月1日より、3年間提供する。

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(2000/12/18)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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