【業界動向】

Siemens、動的にHTML文書を音声アプリに変換する技術を開発

■URL
http://www.usa.siemens.com/News_and_Press/PressReleases/SCR_001218.htm

 米Siemens Corporate Researchの研究者たちは18日、通常HTMLドキュメントを音声に変換するためのフィルターテクノロジーを開発したと発表した。この技術は電話などを通して通常のウェブサイトにアクセスできるだけでなく、視覚障害者たちにとっても有用な技術であると思われている。

 この技術による製品「VoxPortal」は、動的にHTML文書をVoxMLにコンバートして音声でブラウジングできるようにする初めての製品だと言う。VoxMLはMotorolaによって開発された標準的な規格で、これに従うことによって電話などを通して文書内をナビゲーションするなど、音声認識技術に基づいた音声アプリケーションを簡単に開発できるようにするものだ。

 この製品の開発に携わったプロジェクトマネージャーのStuart Goose氏は「Siemens Corporate Researchの音声ブラウザーやHTMLをVoxMLにコンバートする技術は、HTML文書の中にある構造と内容を解析するアルゴリズムを応用したものだ。この解析技術はSiemens Corporate Researchによって開発され特許出願しており、どこにコンテンツがあって、どこがナビゲーションのリンクであるかを計量的に解析する。ナビゲーションとコンテンツの違いは視覚的には明らかであるが、この技術によって音声でそのページを聴く人に、どこがメニューのリンクでどこが主にコンテンツであるかを知らせることができる。HTML文書をVoxMLにコンバートするシステムはほかにも存在するが、Siemens Corporate Researchが開発したアルゴリズムはより滑らかに、自然に書かれた言葉をオーディオに変換し、不自然な区切りがない」とコメントしている。

 この新技術によってコンテンツプロバイダーはHTMLで書かれたコンテンツをVoxMLに翻訳してサイトへのせることよりも、VoxPortalを利用することによってごく普通のウェブサイトのまま、音声にも対応させることができる。これは多くのサイトを利用できずにいた視覚障害者はにとっては朗報といえるだろう。

 VoxPortalはすでにヨーロッパで発売を開始しており、他の市場における販売は今後検討される。またこの研究成果は将来のVoxMLのバージョンに還元されていく予定だ。

(2000/12/19)

[Reported by taiga@scientist.com]


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