【調査結果】

2000年のベンチャー投資額は1,050億ドル~第4四半期に鋭く減少

■URL
http://www.venturewire.net/

 2000年に未公開企業に投資されたベンチャーキャピタルの投資額は1,050億ドルに達することが判明した。この額は、1999年に投資された410億ドルをおおよそ2倍以上上回ることになる。この新記録は今年後半にベンチャーキャピタル投資が減少したにもかかわらず達成された。今年の第四4半期のベンチャーキャピタル投資は180億ドルだったが、これは今年1年の4半期の中で最も小さい額だった。この最新の調査結果は、ハイテクベンチャー企業とベンチャーキャピタルの投資の情報サービスを提供しているVentureWireによって22日発表されたものだ。

 2000年全体を通して概観すると、ベンチャー投資は今年中頃を過ぎたころから減少し始めている。毎日のベンチャーキャピタル投資を追跡するVentureWireインデックスは7月1日を過ぎたころから35%の下落を示している。6月にはベンチャーキャピタルは毎日3億5,000万ドルを未公開企業に投資していたが、12月にはその数字は1日あたり2億5,000万ドルを下回っていた。しかしながらこの数字はそれでも昨年を上回っている。例えば、1999年の6月には、未公開企業は1日あたり8,000万ドルの投資を受けていたが、1999年の12月にはこの数字は増加を示したものの、1日約2億ドルに増加していたにすぎない。

 投資を受けた個々の分野に目を向けてみると、今年後半の減少に寄与した主な原因はeコマース企業からの撤退といえる。B2Cインターネット企業は今年前半に39億ドルの投資を受けたが、後半に入ると16億ドルに減少した。B2B企業も同様の打撃を受けた。前半に51億ドルの投資を受けたものの、後半には36億ドルの投資へと減少した。

 しかしながらほかのセクターでは強気の投資を維持することができた。ネットワーキングハードウェア、光通信部品などでは今年1年で133億ドルの投資を受けた。そして無線アプリケーションやサービス、例えばモバイルコマース分野の企業は1年間に44億ドルの投資を受けている。

 また、Intelは今年1年で最もたくさんの未公開企業に投資した投資家となった。Intelは210の企業に投資しており、続いて145企業のGoldman Sachs Group、142企業のChase Capital Partners、130企業のBessemer Venture Partners、128企業のNew Enterprise Associatesと続く。

 この調査結果についてVentureWireのKen Andersen氏は「1年間で1,000億ドルもの投資がなされたというのは大したものだ。これは過去15年間を合わせたものよりも多いのだから。しかし年が終わりに近づくにつれてそのペースは明らかに減少した。年間を通して第4四半期は歴史的に最も活発に投資が動く時期なのだが、2000年に限って言えば1番小さい投資額となった。来年は1993年以来ベンチャーキャピタル投資が初めて年間を通して減少する年となるかもしれない」とコメントしている。

(2000/12/25)

[Reported by taiga@scientist.com]


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