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第1位 | ドメイン紛争で国内でも判例(12月) |
第2位 | “日本語.com”の登録試験サービス開始で大騒ぎ(11月) |
第3位 | ICANN、「.biz」などの新gTLD導入を決定(11月) |
第4位 | JPNIC、汎用JPドメインのレジストリ民間会社を設立へ(12月) |
第5位 | “.tv”ドメインの売却益でツバル国が国連加盟を果たす(9月) |
1年を見渡してみると、それほどニュースが多かったわけではない。しかし、ここ最近の2カ月に大きなニュースが集中していたために印象が強く残っているのが、ドメインネームをめぐる動きである。実際、インターネットの根幹にかかわるものだけに、影響も計り知れない。
中でも、もっとも気になるのは“日本語.com”の導入だろう。まだ試験段階であるにもかかわらず、11月のサービス開始日にレジストラの登録サイトにアクセスが殺到したのは記憶に新しい。希望する自社名などのドメインを確保できなかった企業が現われる一方、第三者に先に取得されたそれらのドメインがネットオークションに出品されるといった現象も見られた。
同じく11月には、ICANNが「.com」「.net」「.org」などに続く7つの新gTLDを決定した(サービス開始は2001年春ごろ)。ドメイン空間が広がることでドメインが取得しやすくなるというタテマエだが、果たしてそうなのか? “日本語.com”のときの大混乱を見てもわかるように、ドメイン空間が増えれば、企業にとってはその分“とりあえず押さえておくべき”ドメインが増えることになる。結局、笑うのは新gTLDのレジストリとして選ばれた企業だけという気もする。
このように、ドメインネームは金になる。その認識は、取得する企業にとっても、レジストリにとっても、あるいは転売目的でサイバースクワッティング(ドメインの不法占拠)する者にとっても同じであり、あちこちでもめ事が起こるのも当然の成りゆきと言える。そんな状況の中、今年1月には、米プロレス団体ドメインのサイバースクワッティングに対して世界知的所有権機関によって返還命令が下されたほか、日本でも工業所有権仲裁センターが紛争処理に乗り出すなど、ドメイン紛争をめぐる解決手段で前進があった年だった。さらに、12月には富山地裁でドメイン名使用の差し止めを命じる判決が下された。司法がやっとインターネットに追いついたという感もあるが、2001年は、さらに世間のドメインネームに対する認識や関心が高まってくるはずだ。
(2000/12/27)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]