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第1位 | 知りたい情報をユーザーの代わりにウェブから集めてくれるエージェント |
第2位 | NTT、インターネット上の音や映像を瞬時に探索する技術を開発 |
第3位 | MPEG4を遙かに凌ぐ圧縮法で三次元データを効率よく転送する技術 |
21世紀になると現在のネット関連技術は予想できないほど大きく変わっていくと思われる。その糸口になりそうなネット関連の基礎技術開発についてはINTERNET Watchではあまり大きくとり上げてはいないが、今後おおいに期待できそうなものがいくつか発表されている。光ファイバーを用いたさまざまな超高速通信技術も開発されているが、それ以外の特に興味深いものをいくつか紹介する。
1位のエージェントは、東芝研究開発センターと北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科の片山研究室との共同研究により10月に公開された。自然言語による指令だけで、パソコンの電源を切ってもユーザーの必要な情報を自動的に集めてくれる。場合によっては検索エンジンも使用する。また、集められた情報はどこからでもまるごと取り出すことができるという、まさに自分の助手のような役割をしてくれるものだ。欲しい情報を得るためにネットサーフィンをして時間と通信料金をかなり消費してしまうことがあるが、将来はそれらを別のことに有効に使えるようになるだろう。
さて、現在使用されている検索エンジンは、主に文章を対象として検索している。しかし身の回りにはさまざまな音や映像の情報が氾濫している。これらの情報を効率よく検索できれば、あらゆるメディアから興味のある情報を素早く入手できるようになる。2位は、NTT先端技術総合研究所によって開発、5月に公表された技術。特徴は、圧縮や編集によって品質が変化した場合にも素早く検索できることである。今後、映像や音楽のデータベースなどへの利用が期待される。
立体図形のデータは二次元の画像データよりもはるかに巨大である。これをネット上で効率よく転送できれば、ネット上のコンテンツもより有用なものがやりとりされるようになる。3位の、ベル研究所のスゥエルデンスとカリフォルニア工科大のシュレーダーが7月に発表した方法では、ウェーブレットと呼ばれる数学的テクニックを用いてこれを可能にした。MPEG4の12倍、従来最適だった方法の6倍もの効率的な圧縮を可能にした。「トイストーリー」より鮮明な画像をリアルタイムでやりとりできる日もそう遠くない。
◎関連記事
■パーソナル検索エージェントMobeet
http://beegent.jaist.ac.jp:8000/Mobeet/
■NTTのニュースリリース
http://www.ntt.co.jp/news/news00/0005/000531.html
■Lucent Technologiesのニュースリリース
http://www.lucent.com/press/0700/000726.bla.html
(2000/12/27)
[Reported by tatekawa@star.email.ne.jp]