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第1位 | 衝撃の“ビジネスモデル特許”騒動 |
第2位 | 米AOLとTime Warnerが合併 |
第3位 | 無料プロバイダー再び? |
第4位 | 検索エンジンGoogleの日本語版サービス開始 |
第5位 | iモードなどインターネット対応ケータイ爆発的普及 |
第6位 | 脱WWWブラウザー戦争 |
第7位 | ITブーム~“IT革命”が流行語大賞受賞など |
第8位 | FLMASK作者に有罪 |
第9位 | 2chなど、掲示板が話題 |
第10位 | インターネット電話再び |
インターネット人口が2,000万人を突破したという2000年だが、今年もさまざまな出来事が業界を駆けめぐった。AOLとTime Warnerの合併、iモードの爆発的普及、ITブームなど、新聞やテレビでもおなじみのニュースも多いが、以下では特に“インターネット業界”に衝撃を与えたニュースを取り上げてみた。
1位は“ビジネスモデル特許”。従来から米国では、Amazon.com 対 Barnesandnoble.comなど、ビジネスモデル特許侵害に関する争いが行なわれていたが、4月、インターナショナルサイエンティフィック(IIS)社が国内のISPに対し「ビジネスモデル特許抵触の可能性」と題するメールを送付したことから衝撃が走った。内容は、同社が「インターネット時限課金システム」のビジネス特許を日米で取得しているというもので、9月にはゼロ、ウェブマネー、ビットキャッシュの3社に対し使用差止仮処分を申請している。12月には東京地裁により訴えが却下されたものの、“アイディア勝負”のこの業界に及ぼした影響は大きい。
4位のGoogle日本語版サービス開始は、久々にヒットした検索サイトと言えよう。フリーメールやニュースの提供など、どんどんサービスを付加し肥大する“ポータル系検索サイト”を横目に、トップページに表示されるのはロゴと検索窓だけという異常なシンプルさが余計に新鮮にうつった。レスポンスの速さや検索結果の確かさといった機能面での評価も高い。しかし「何で儲けんの?」という疑問はあるところで、ビジネス展開も含めて今後も注目したい。
6位の「脱WWWブラウザー戦争」は、ウラを返せば、2000年に発表されたNetscape 6やIE5.5などのブラウザー新バージョン登場がそれほど話題にならなくなったということだ。まず、大幅な進化が見られなくなったことが挙げられるが、ほかには、携帯電話などインターネット対応デバイスの多様化から、“インターネットの画面”を見るのは必ずしもパソコン用WWWブラウザーではない、という意識の広がりもあるのだろう。
8位の「FLMASK作者に有罪」では、インターネットの根幹ともいえるリンク機能が犯罪のほう助にあたると判断された。FLMASKの作者は1997年に逮捕されており、その年の本誌「編集部の選んだ10大ニュース」にも5位に登場している。今後、インターネット界にどのような影響を及ぼすかはわからないが、一つの判例ができてしまったことだけは確かだ。
そのほかでは、3位の無料プロバイダー、10位のインターネット電話が注目される。いずれも過去にサービスとして一度失敗、もしくは停滞していたものだが、ここにきて再び注目を集めた。無料プロバイダーについては、従来通りの広告による運営モデルのほか、フリービット・ドットコムのように広告収入に依存しない無料ISPモデルも登場した。しかし、広告モデルの無料ISPでは、予想通りに会員数が伸びず早くも方向転換を迫られる企業も出ている。実際に海外の無料ISPでは、ヘビーユーザーに課金するところも現われるなど、その行く末に注目が集まる。一方のインターネット電話は、2000年になり各社がサービス開始を発表しており、再び注目を集めている。常時接続環境の普及、また、VoIP技術の向上なども追い風になっているが、肝心の収益をあげる構造がいまだに見えてこない点が今後の不安材料だ。
(2000/12/27)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]