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ガーネットコネクションズ企画は17日、下りの回線速度が最大6MbpsのADSL実験サービスを東京と名古屋の一部で開始したと発表した。ADSLのフルレート規格「G.992.1(G.dmt)」準拠のADSLモデムを採用し、国内では初めて最大6Mbpsのサービスを提供するとしている。
ガーネットコネクションズ企画は、三井物産が発起人となり、米DSL専門事業者のRhythms NetConnections、住友商事などの出資により昨年6月に設立された企画会社。DSLによる高速アクセス網サービスの実験を目的としている。今回の実験サービスは、まず同社の株主が運営するISPの社内関係者を対象に開始され、その後、一般ユーザーを対象とした無償サービスも予定しているという。株主企業のうちISPを運営しているのは、ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC、東京通信ネットワーク(東京電話インターネット)、フランステレコム(GlobalOne)、PSINet、インターキュー、三洋電機ソフトウェア(SANNET)、ASAHIネット、エクソダスコミュニケーションズ(GOL)、AOL、中部テレコミュニケーション(CTCN)、日本ユニシス情報システム(U-netSURF)の11社。この中のいくつかのISPが既存ユーザーを対象に実験モニターを募集する見込みで、詳細は1月下旬以降発表される。
現在、国内のADSLサービスで多く用いられているのは、G.dmtの簡易版にあたる「G.992.2(G.lite)」。最大速度を上り512kbps/下り1.5Mbpsに抑えることで、機器の低価格化が図られているという。これに対してフルレートのG.dmtでは、最大速度が上り640kbps/下り6Mbps。ガーネットコネクションズ企画では、G.dmtを採用することで、先行他社のサービスと同程度もしくはやや高い程度の料金でより高速なサービスを提供。個人ユーザーだけでなく、中小企業などの需要にも対応していく考えだ。なお、G.dmtについては東京めたりっく通信でもすでに採用しているが、サービスメニューを見る限りでは、下りの最大速度は1.6Mbpsに抑えられている。
また、バックボーンについては、光ファイバーを用いた独自のネットワークを構築。「地域IP網やATMメガリンクといった既存ネットワークに依存する従来型のDSLサービスと比べて、より高速・高品質かつ低コストなDSLサービス」を目指す。実験サービスは6月30日までの予定だが、春ごろには事業会社を立ち上げ、DSL回線のホールセール(卸売り)事業に本格的に進出したいとしている。
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(2001/1/17)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]