【業界動向】

英PaceがSTBにセガのドリームキャスト技術を統合~娯楽コンテンツの入り口に

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http://www.pacemicro.com/newsroom/popupnews.asp?id=83

 英Pace Micro Technologyは29日、同社が開発しているSTB(セット・トップ・ボックス)の中にセガのゲーム機「ドリームキャスト」の技術をライセンスして組み込むことを明らかにした。このSTBの中にはテレビを放送と同時にHDDに録画し、いわゆる「タイムシフト」機能を利用できるパーソナルビデオレコーダー機能も含まれており、ブロードバンドや放送を通して配信される映像、ゲームなどのコンテンツを居間にいながらにして自由にコントロールできるホームゲートウェイとなることを目指している。

 Paceは、この技術をケーブルテレビ、衛星放送、ブロードバンド業者などのネットワークオペレーター向けの次世代サービスとして売り込む方針だ。このデジタルホームゲートウェイSTBには、40GBのHDDが内蔵されており、ブロードバンドを通してゲームをダウンロードできるほか、一回遊ぶことに料金を課金したり、あるいは遊んだ時間に応じて料金を課金するなど、これまでにはできなかったさまざまな利益を生み出す源泉とする考え。HDDの容量は時代の流れと共にますます増加していくものと思われ、結果としてこのSTBはゲームのジュークボックスのような役割を果たし、さまざまなデバイスに無線を通してゲームを配信するための入り口となることが予測される。

 ゲームとパーソナルビデオレコーダーとSTBという組み合わせがどのような意味を持つかについて、Pace America社長のNeil Gaydon氏は「STBとゲームテクノロジーを統合することは、ただゲームで遊ぶという以上のことを意味している。強力な3Dグラフィックスは他のアプリケーション、たとえば電子番組表(EPG)などに利用することができる。ゲームのコンテンツは人々が執着心を持つもの、つまり人々が通常長い時間をかけて遊ぶものであり、このことはネットワークオペレーターにとって大きな意味を持つだろう。さらに重要なこととして、Paceの無線ホームネットワーキングのビジョンからすれば、一度ホームゲートウェイを通して配信されたゲームを、家の中の他のデバイスに無線で転送することもできるだろう。ゲームはSTBから家の中や外のさまざまなデバイス、例えばパソコン、PDA、携帯電話、などに転送することができるのだ」とコメントした。

(2001/1/30)

[Reported by taiga@scientist.com]


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