【業界動向】

北大・九大など、インターネット活用の共同授業を開始

■URL
http://www.3d-ies.com/ilc/

 北海道大、九州大など5大学と株式会社野村総合研究所は、共同でインターネットを利用した双方向遠隔教育に関する実験授業の開始を発表した。語学系の授業を中心に、今後他大学を含めた推進や、授業や単位取得の相互補完などのシステム整備を図る。

 この実験授業のベースとなるのは、九州大学大学院言語文化研究院と野村総合研究所が共同で開発したオンライン学習システム「3D-IES」(3D-Interactive Education System)。生徒が自分の代役である「アバター」を使って、街の中を模した3D空間を動き回りながら、ボイスチャットとテキストチャットを併用して学ぶもので、RPG感覚で楽しみながら授業を受けることができる。先生からの指示にはボイスチャットを用い、それに対する生徒の返答にテキストチャットを利用することで、生徒のリアクションの活性化と、また授業の効率化を図る形となる。

授業のデモ画面
 すでに北海道大学と九州大学は、共同でドイツ語と英語の実験授業を始めており、参加した生徒からは「休まずに出ようという気になる」「積極的に学習できる」といった反響があがっている。今後は他の言語や他大学にも実験を拡大し、また大学間のネットワーク管理の問題や、相互授業・相互単位取得などについてもアプローチする方向という。実験参加は先の2校に加え名古屋大学・九州大学の2校で、また実験の教育効果測定研究として、京都大学も参加している。

 北海道大学の丹保憲仁総長は自ら実験に参加し、「私自身、英語は堪能だが、実験授業では私が一番できない生徒だった。生徒たちがチャットなどで英語を表現する速度は非常に早く、私たちが英語を学習したのとはまったく違ったスピードで身につけていくのではないか」と語った。また大学間の遠隔授業について、「今の大学状況は大学院を強化する方向にあり、学部の教師を増やすのは厳しいのが現実。今後こういった遠隔授業を進めることで、すくなくとも学部教育はユニバーサル化していくだろう」と述べ、今後の拡大を強調していた。

(2001/2/5)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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