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【通信事業】

NTT東西、Lモードを総務大臣に認可申請

■URL
http://www.ntt-east.co.jp/release/0102/010215.html
http://www.ntt-west.co.jp/news/0102/010215.html

 NTT東日本とNTT西日本は15日、固定電話からインターネットの各種サービスやメールの送受信が行なえる新サービス「Lモード」について、同日、総務大臣に認可申請したと発表した。県間とインターネット接続部分の料金設定を分離することで批判を回避し、早期サービス開始にこぎつける。

 Lモードは昨年10月に概要が発表された後、サービスに県間通信やインターネット接続も含まれているという理由で、業務範囲を地域通信に限定しているNTT法を逸脱するのではないかとの意見が新電電などから出されていた。これに対してNTT東西では、県間およびインターネット接続は他の通信事業者の回線を借りて行なうため、法的に問題はないというスタンスをとっていた。さらに今回の申請では、その部分の通信料金設定について、NTT東西側の決定権を放棄。利用する通信事業者側がこれを決定する形をとることで批判をかわす考えだ。NTT東日本の古賀哲夫営業部長によると、すでに10月の概要発表の段階で、1)県間およびインターネット接続部分を含めてNTT東西が一括して料金を設定する案、2)県間およびインターネット接続部分を分離して料金を設定する案──の2通りを検討していたが、正式に申請する前の段階で批判の議論が沸き起こってしまったという。前者の方式については、電話番号案内など県をまたぐサービスについてもNTT東西が一括して料金設定を行なっている例があるため必ずしも問題があるとは言えないが、「現実論として早く開始したい」ということで、認可される可能性の高い後者を選んだ。

 県間およびインターネット接続部分のバックボーンで協定する通信事業者については、発表後にいくつかの申し出があったとしているが、現在話し合いが進んでいるのは、IIJとNTT-PCコミュニケーションズの2社。この部分の料金はまだ発表されていないが、月額60~70円程度となる見込みだ。これは、Lモードの月額基本料金210円、メール蓄積通知機能利用料金20円、ローミング等利用料金10円との合計で、月額300円前後で提供したいというNTT東西の考えによるもの。決定権はあくまでも2社側にあるため、異なる料金が提示される可能性もないわけではないが、接続する帯域を調整するなどして、ユーザーに請求する料金は同一になるよう対処するという。

 料金請求については、県間およびインターネット接続で協定する通信事業から債券を譲り受け、NTT東西が一括して行なう。これはユーザーへの利便性を考慮する一方で、わずか数十円の請求を個別に行なっていてはコストが合わないためだ。しかし根本的な理由は、Lモードの仕組みによるものだ。Lモードでは、簡単に接続できることを重視しているため、たとえ複数の通信事業者が県間やインターネット接続部分を担当していたとしても、ユーザーはこれを選択することができない。そもそも、通信事業者ごとには料金を算出できない構造になっているのだという。

 同申請は、16日にも審議会にかけられる予定。認可されれば、2カ月後をめどにサービスを開始し、東西合わせて1年で150万~200万ユーザーの獲得を目指す。

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(2001/2/15)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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