【業界動向】

米Oracle、ASPを含むポータルを提供~サービス事業にシフト

■URL
http://www.oracle.com/ebusinessnetwork/appsworld/index.html

 米Oracleは21日、米国で開催中のカンファレンス「Oracle AppsWorld」(OAW)において、「Oracle.com」を同社のオンラインサービスのブランドとして確立し、ASPを含んだビジネスマン向けポータルサービスを提供すると発表した。

 新しいOracle.comブランドでは、各種ニュースサイトや金融情報、Oracleの製品情報、チケット予約、各業界の情報、ASPサービスなどが1つの画面で利用できる。また、ユーザーによるカスタマイズも自由にでき、どのサービスをどのように表示するかなども設定可能だ。

 コンテンツやサービスを提供する企業は、Oracle 9iにバンドルされた「Oracle Portal」によって「ポートレット」と呼ばれるHTMLインターフェイス部分を作り、それをOracle.comに登録することによって、Oracle.comの部品としてシングルサインオンで使えるサービスを提供できる。

 発表の壇上に立ったシニアバイスプレジデントのMark Jarvis氏によるプレゼンテーションでは、「いろいろなオンラインサービスを使っているとパスワードの管理が大変」といった街角インタビューのビデオを上映した上で、Oracle.comならばシングルサインオンによって1回のログインですべて利用できるといった特徴をアピールした。

 まずOracleでは、現在のOracleサイトで提供しているニュースやOracle製品情報、OracleのASPサービスなどを新しいOracle.comインターフェイスから無償で利用できる「My.Oracle.com」サービスを開始する。そのほか、eメールやスケジューラー、株式ポートフォリオなどのデスクトップツールや、サードパーティー企業によるポートレットをサポートした有償サービスを提供する予定もあるという。有償サービスでは各企業内での利用向けにサービスをカスタマイズした企業ポータルサービスや、企業内アプリケーションのホスティングサービスも提供していくという。

 Mark Jarvis氏によると、Oracleはこれから従来のソフト販売(ライセンス販売)、つまり、オフラインビジネスのブランドとしての「Oracle」のほか、新しいオンラインサービスのブランドとして「Oracle.com」ブランドを積極的に打ち出していくという。Oracleでは社内についても顧客企業についても、すべての情報を1か所に集中させることをコンセプトとしており、今回のポータルサービスにもその色が強く現れている。いわば、“Web版のNetwork Computer(NC)”といえそうだ。

 なお、日本向けのサービス提供時期については、Oracle製品やその販売方法などの理由により、現在検討中という。

(2001/2/22)

[Reported by masaka@impress.co.jp]


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