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CATVインターネットサービスプロバイダーのアットホームジャパンは26日、2001年度の新規事業計画を明らかにした。ジュピターテレコム(J-COM)系列局以外の独立系CATV局へのネット接続サービスを開始するほか、加入者向けに展開しているブロードバンドコンテンツの拡充や、モバイル端末向けの映像配信にも乗り出す。
アットホームジャパンは昨年6月以降、同社の株主でもあるJ-COMの系列CATV局に対してインターネットサービス「@NetHome」を提供。現在、関東や九州、北海道などの19局のエリアでサービスを展開している。これに加えて今年4月、独立系でははじめて江戸川ケーブルテレビにおいてサービスを開始する予定だ。江戸川ケーブルはこれまでタイタス・コミュニケーションズのインターネットサービス「ALLNET」を利用していたが、J-COMとタイタスの合併にともないALLNETが終了することになっている。@NetHomeは、ALLNETの後継サービスとして採用されたという。サービスの仕様は江戸川ケーブル側で設定するため詳細はまだ発表されていないが、下りの最大速度がベストエフォートの768kbpsになる見込みだ。
@NetHomeの加入者が専用ブラウザーで閲覧・視聴できるブロードバンドコンテンツサービスでは、パートナー企業との提携を拡大する。まず、不動産情報サービスのアットホーム株式会社との提携による物件情報や、日立システム&サービスのオンライン百科事典などを今春にも追加する。さらに、イーブックイニシアティブジャパンの電子書籍配信や、夏以降はヴィアール・ワンのネット対戦レーシングゲーム「リアルカーシミュレーション」、パイオニア・ミュージック・サテライトの振り付け機能付きカラオケ配信「ふりカラ」などのサービスも開始する予定だ。
このほか同社では、モバイル向けのコンテンツ配信にも取り組む。モバイル関連システム構築のインタービジネスと提携し、NTTドコモの「eggy」など、携帯型映像端末に向けたブロードバンドコンテンツの配信試験を開始する。
さらに年内にも、デジタルセットトップボックスを利用した、テレビ向けのサービスの開始に漕ぎ着けたい考えだ。ブロードバンド接続としては一足早く商用化がスタートしたCATVインターネットだが、今後はDSLや光ファイバー、無線などの競合サービスも本格化してくるため、CATVならではの差別化が重要になる。その一つとして、ネット端末とテレビを融合するデジタルセットトップボックスが考えられるわけだ。ケーブルモデムとCATVチューナーを一体化し、リモコンで操作できるデジタルセットトップボックスがすでに試作されており、ネットのコンテンツなのか、テレビのコンテンツなのかをユーザーが意識することなく利用できるサービスの開発も進められている。同社では、パソコンによる利用が今後も拡大すると見ているが、リビングルームでの利用など、パソコンからの利用とはまた別の需要も期待できそうだ。ただし同サービスは、米国法人のExcite@Homeがようやく試験サービスを開始する段階。搭載するOSなどの仕様がまだ決定しておらず、国内での具体的なスケジュールは未定だ。
(2001/2/26)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]