【新サービス】

パスワード・IDを一括管理、1ヶ所で資産管理やWeb閲覧が可能に

NTTデータ・野村総研がアグリゲーションサービスを開始

■URL
http://www.nri.co.jp/news/2001/010313.html (野村総研のリリース)
http://www.nttdata.co.jp/profile/release/130313.html (NTTデータのリリース・上記と同内容)

左奥からNTTデータ阿部氏、野村総研竹内氏、247Solutionsシムス氏
 株式会社NTTデータと株式会社野村総合研究所(以下NRI)は、ひとつのWebページで個人の銀行残高や投資状況、クレジットカード使用状況などを一覧できる「アグリゲーションサービス」(aggregation service)を、共同事業として展開すると発表した。またこのサービスのための新会社を共同設立する予定も明らかにした。

 アグリゲーションサービスとは、インターネット上でログインを必要とするサービスが急増したり、また個人の金融資産が銀行・証券会社など複数の金融機関にまたがり、一括管理しにくいといった状況を受けて登場したものだ。インターネット上のサービスで使用するIDやパスワードを、管理機関(アグリゲーションセンター)で一括管理し、1回ログインすれば、銀行残高やカード使用状況などを、1つの画面でまとめて閲覧できる。米国では1999年初頭に登場し、Yodlee724 Solutionsといったアグリゲーションベンダー(以下アグリゲーター)が、AOLYahoo!などのポータルサイト、またWells FargoMerrill Lynchなどの金融機関へサービスを提供している。アグリゲーションとは「集合体、集成」という意味を持つ。

 NTTデータとNRIは、日本でアグリゲーションサービスを提供するにあたって、ユーザーがIDやパスワードをアグリゲーターに預けることへの抵抗感や、情報を収集される企業側からの反発を考慮。ユーザーおよび企業への事前の承認を得た上で、信頼の高い金融機関と連携したサービスを提供する形を目指す。例えば米国のサービスでは、ユーザーは好みのURLを指定してWebページをカスタマイズできるが、日本ではコンテンツ提供企業の提供するものから選ぶ形を採る。なおアグリゲーションのエンジン部分は、カナダの724Solutions社のアグリゲーション技術製品「Live Clips」などのライセンス供与を受ける予定だ。

デモ画面。複数の銀行口座とカード利用状況などをまとめて掲載している
 具体的には、銀行・証券・カード会社などの口座情報を一覧表示する「口座アグリゲーション」をはじめ、ユーザーの好みのWebコンテンツを組み合わせ、カスタマイズしたWeb画面を表示する「コンテンツ・アグリゲーション」、登録したサイトでユーザー設定のイベントが発生した場合(サイトの更新、株価サイトで表示株価が10%上がるなど)、指定したメールアドレスに送信する「アラート・メールサービス」といった機能を提供する。無料でのサービス提供を目指しているが、まだ検討中の段階だという。
 6月から試験提供を開始し、9月より本格的なサービスに移行する。現在参加検討しているのは下記の16企業・組織で、このうち2~3社と試験提供を行なう予定だ。コンテンツ提供企業はこれからの打診となるが、賛同企業のコンテンツ提供も予定している。

 NTTデータとNRIの共同事業はこれが初めて。たまたま両社ともアグリゲーションサービスについて検討しており、お互いの得意分野も補完できることなどから、このサービスの開始になったという。また米国ではアグリゲーションサービスでの個人情報取り扱いについて、全米銀行協会によるガイドラインが完成している。日本でも、米国のガイドラインを遵守したうえで、日本の法制度に合ったガイドラインを策定する方向だ。

【検討参加機関】
株式会社あさひ銀行 株式会社オリエントコーポレーション 株式会社クレディセゾン
株式会社さくら銀行 株式会社ジェーシービー 株式会社住友銀行
株式会社住友クレジットサービス 株式会社大和銀行 株式会社ディーシーカード
株式会社東海銀行 株式会社東京三菱銀行 日本信販株式会社
野村證券株式会社 みずほフィナンシャルグループ 株式会社ミリオンカード・サービス
郵便貯金

(2001/3/13)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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