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■URL
http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/
米Adobe社のEcshbach氏
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現在、米国の省庁やEU、国連といった機関で、公的文書のPDF化が多く進められている。米Adobe SystemsのVice PresidentであるJoe Eschbacn氏によれば「米内国歳入庁(日本の国税庁にあたる)で、1,500件以上のPDFフォームを活用した納税申告を導入したことで、年間数百万ドルのコスト削減が実現した」という。また「米連邦食品医薬品局(FDA)がPDFによる新薬認可申請の提出を認めたことで、製薬会社はこれまで数百万枚の用紙を使って提出していたところがディスク1枚で提出が可能になった。これにより、例えば米Pfizer社のバイアグラなどが認可までの期間を数ヶ月縮めることができた」(Eschbach氏)などの事例を挙げていた。
こういった文書の電子化を、アドビでは「ePaper」と呼んでおり、今回の「Adobe Acrobat 5.0日本語版」(以下「Acrobat5.0」)では「ePaper」の進化と普及に向けて機能強化を図った形となる。
具体的には、「Microsoft Office」で作成した文書をワンクリックでPDFに変換できる「PDF Maker」、PDFファイルのRTF形式への変換、Webサイトに掲載したPDFファイルを複数のメンバーで共有してコメントやマーカーを付ける「オンライン注釈機能」、PDFファイルの共有の際に、開く相手ごとに異なるアクセス制御ができる「SelfSignセキュリティ機能」、さらにPKI(公開鍵インフラストラクチャー)に対応した「電子署名機能」などの新機能が搭載された。これにより、複数のメンバーでオフィス文書を共有しつつも、原本の安全性や改ざんを防ぐ使用が可能になった。また現在「紙」で運用している申請書をスキャナで読みこみ、Acrobat上でフォームを定義することで、紙の申請書と同じ感覚で使えるPDFファイルの作成もできる。これに合わせ、フォーム部分で動くJavaScriptや、フォームデータのXML書き出しといった機能も強化された。
これら新機能を使った例として、確定申告の申請用紙のPDF化を想定したデモンストレーションを実施。用紙の印鑑部分に印影と組み合わせた電子署名を入力し、受取先で認証するといった動作を実演していた。
「Adobe Acrobat 5.0日本語版」はオープンプライス(アドビストア価格で2万8,310円)。対応OSはWindows95/98/Me/NT/2000、Mac OS8.6(一部使用できない機能があり)/9.0.4/9.1となっている。
Acrobatを使った「ePaperソリューション」のモデル図 | 申請書デモの様子。印影付きの電子署名を貼り付ける | 電子署名が認証されていない状態。印象の後ろの「?」マークに注目 | 認証されると「?」マークが認証済みマークに変わる |
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(2001/4/11)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]