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http://www.activestate.com/Corporate/Communications/Releases/Press986865767.html
オープンソース製品を開発・販売している米ActiveStateが、Mozilla Application Frameworkを使ったプログラミングができる統合開発環境(IDE)「Komodo 1.0」を発表した。KomodoはPerlとPythonをサポートする。ActiveStateによれば、KomodoはMozillaプロジェクト以外のサードパーティーがMozillaを製品として発売する初めてのケースになるという。
Mozillaはよく知られているようにNetscapeから派生したブラウザープロジェクトだが、現在はそれに止まらず、より一般的なWebアプリケーションを実行するための一種のOSのような“環境”そのものを構築することを目指しており、これをMozilla Application Frameworkと呼んでいる。実際Komodo自身もMozillaのインターフェイスを記述する言語であるXULによって表現されており、応用は広い。将来的にはさまざまな機器の上にOSが載り、その上にMozilla環境が構築され、さらにその上に簡単なスクリプト言語で記述された柔軟な“アプリケーション”が実行されることだろう。
Komodoはこのようなパラダイムを実現するため、アプリケーションを開発しやすくする環境づくりを果たす点で注目される。Komodoは現在、前述の通りPerlとPythonをサポートしているが、ブラウザー環境で動くJavaScriptも使える。それだけでなく、ActiveStateの創設者兼CEOのDick Hardt氏は「Mozillaのコンポーネント指向のフレームワークでは、来る数カ月の内に他の言語や機能を追加することも容易だろう」と期待を持たせている。現在公表されている計画としては、ActiveStateのPerlCtrl、PerlApp、PerlSvcなどPerl関係のサポートを強化するほか、WebDAVをサポートすることが公表されている。
また基本的な機能としての言語に応じてソースコードを編集できる機能が付いたエディターやオンラインヘルプ、そして多くの言語で必須の機能ではあるが使いこなすことが難しい正規表現を扱いやすくするための「Regular Expression toolkit」が用意されている。
Komodoの発表を受けてオープンソース運動に深く関わり続けているO'Reilly & Associatesの創設者兼CEOのTim O'Reilly氏は「これはMozillaが単なるNetscapeの次世代ブラウザー以上のものであることを示してくれた。さらに重要なこととして、Web環境のIDEによってPerlやPythonなどのオープンソース言語によるクロスプラットフォームな開発が、一部のハッカーエリートたちだけのものではなくなったということだ」と高い評価を示した。
Komodoはプログラミングを学んでいる人のためには教育用ライセンスとして無料でダウンロードできるほか、商用利用には年間295ドルでサポートを含めたライセンスを受けることができる。
現在正式にサポートされているのはWindows 95/98/Me/NT/2000で、Linux版とXSLTを利用できるKomodo XSLTはベータ版となっており、いずれも同社のページからダウンロードできる。
(2001/4/12)
[Reported by taiga@scientist.com]