【業界動向】

大学・研究機関の起業を支援 「アカデミーキャピタルインベストメンツ」

■URL
http://www.academy-ci.com/ (準備中)

左から松本氏、大前氏
 大学などの研究機関からの起業を促進、支援する会社が登場した。シスコシステムズ株式会社の創業者で、この3月まで代表取締役会長を務めた松本孝利氏が設立した「アカデミーキャピタルインベストメンツ株式会社」(以下ACI)だ。日本を含むアジア・パシフィック全域で、IT関連ベンチャーへの投資・支援を行なっていく。

 ACIでは、IT関連技術を持つベンチャー企業に対して、早い段階からの投資やインキュベーションを積極的に行なっていく。特に大学や各種研究機関におけるIT関連技術や研究を評価し、可能性の高い研究・技術を、起業に向けて積極的に支援する。戦略構築には、大前研一氏や慶応大学教授の村井純氏、日興リサーチセンター理事長の野中ともよ氏、また海外からは米Cisco Systemsの元CTOのEd Kozel氏などのアドバイザリーボードメンバーによる支援も行なっていき、株式公開やM&Aを目指していく。

 松本氏は「なぜ今ITベンチャーに投資するのか?」という疑問に対し、「今は米シリコンバレーでも、ベンチャー企業がIPOを見送ったり、ベンチャーキャピタルがIT関連ベンチャーに資金を出せない状況がある。ITバブルははじけたのかもしれないが、株価が落ちたからといってIT技術が終わったわけではないし、大学など研究機関が持つIT技術への支援は、自分たちの使命として、景気に関わらずやらなければならない。やっていけば必ず芽は出るはず」と答えた。またアドバイザリーボードの大前研一氏は、「学校と産業の結びつきは、日本では法制度もあって間接的に行なっている面がある。もっと直接的に結びつけるようになれば、産業全体が活性化できるのではないか。自分の学校(アタッカーズ・ビジネススクール)などを見ていると、日本はアイディアがないわけではなく、アイディアを生かす機会が不足している。ACIが長期的な目で、日本のアカデミーと企業のスプリングボードになれれば」と述べていた。

 なお、ACIは設立発表と同時に、日米中のブロードバンド・ネットワーク関連未公開企業へ投資する投資事業組合への資金募集を開始した。当初募集金額は150~200億円を予定している。

(2001/4/16)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


INTERNET Watchホームページ

INTERNET Watchグループinternet-watch-info@impress.co.jp