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メールマガジン配信システム「まぐまぐ」を作った深水英一郎氏による、ユニークなプロジェクトがスタートする。深水氏が代表取締役を務める株式会社バーチャルクラスターが、4月18日に開始するインターネット出版サイト「GOZANS」だ。
サイトを一見するとメールマガジンの発行システムに見えるが、ここで扱うのは“ネットマガジン”。GOZANSでは「インターネットで誰でも発行者になれる」をテーマに、発行者は原稿を入稿するだけで、あとは整形や配送などの作業をサーバーが自動的に処理するサービスを提供する。ここで発行される“インターネット上のデジタル雑誌”をネットマガジンと呼んでいる。深水氏によれば「メールマガジン発行者と読者の要求には微妙な違いがあり、それをすり合わせたものが『GOZANS』」だという。
具体的には、発行者が原稿をサイトから入力すると、GOZANSのシステムがテキストをWebページやメールマガジン、PDFといったいくつかの形態に自動生成する。テキスト1つから、さまざまな形態で読むことを可能にする点が特徴で、例えばWebページはPCとiモードの双方からアクセスができる。またメール配信の場合は、従来のメールマガジン形式はもちろん、購読者が登録している各ネットマガジンの最新号の要約をまとめた「新聞形式」や、各マガジンの要約とURLのみのシンプルな「要約形式」などが用意されている。PDFでも、画面で見やすい形や、印刷した時に見やすい形など、いくつかの形式に分かれている。つまり1つのテキストから、iモードでちょこっと読みたい人にも、印刷してじっくり読みたい人でも、それぞれに合わせた形で出版することができるわけだ。
深水氏は「ここ数年の受信環境の多様化に対応するため、読者側の利便性を追求することがひとつの目標」として、この多彩な配信方法を実現したという。すでに300以上のカテゴリーが準備されており、ネットマガジンの増加に伴ないカテゴリー分けを行なっていく予定だ。GOZANSの開始については「ネットをめぐる環境はここ数年大きく変化しており、情報の発信側のライティングスタイルにも変化が求められている。今回のシステムは、もともとの考え方から再構築したので、自分たちとしても大きなチャレンジ」(深水氏)と言い、新しい表現方法を模索してもらえるようなユーザーに参加してもらえればとしている。なお、内容については発行者と読者の自主性に任せる方向だ。
サービス開始時ではネットマガジンの発行、および購読登録が主体だが、すでにメールマガジンやWebマガジンを発行している人向けの支援ツールの提供や、好きな本を集めてミニオンライン書店を作れる「マイ本屋さん」などのサービスを、順次追加していく予定だ。今後は「デジタルでも紙の出版物でも、よいテキストを作ってたくさんの人に読んでもらいたいという目標は変わらない」として、 オンラインにとどまらず、書籍の出版を含めた展開を図っていくという。
(2001/4/17)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]