【ソフトウェア】

米Jabber.com、メッセージを暗号化するIMクライアントを発表

■URL
http://www.jabber.com/news/release_041901.shtml

 米Jabber.comは19日、インスタントメッセージング(IM)ソフトの新バージョン「Jabber Instant Messenger v1.7」を発表した。このバージョンでは企業内での利用を考慮しておりセキュリティーを大幅に強化している。

 Jabberでは、インスタントメッセージによる会話の記録がすべて自動的に暗号化されるだけでなく、相手との通信はSSLによって暗号化され、通信が傍受されることがないように工夫されている。その他にもローカルユーザーのディレクトリ検索機能、ユーザーインターフェイスの改良、ファイル転送機能をサーバー経由とピア・ツー・ピア経由のどちらもサポートしたこと、などの改良点がある。この新バージョンはWindows版が現在入手可能で、同社のホームページから無料でダウンロードすることができる。

 このようなセキュリティーを強化したIMクライアントの重要性についてThe Burton GroupのアナリストJames Kobielus氏は「インスタントメッセージを繊細な企業内通信に使おうと思う人にとって機密が保てることは必須要件となる。このレベルのメッセージのセキュリティーは企業レベルのIMでは最低限の要求と言える」とコメントし、一定の評価を示した。

 特に最近では金融セクターにおいてIMの利用が検討されているが、この分野では政府の規制により特定の通信はすべて記録される必要があるなど、セキュリティー、メッセージの整合性など、まだまだIMに改良すべき余地が多く残されている。

 Jabberは、1998年にオープンソースのプロジェクトとして始まったもので、現在もJabber.comのプロジェクトと並行する形でオープンソースのJabber.orgプロジェクトが進められている。オープンソース版はサーバー、クライアント共にソースが公開され、無料で利用できるが、商用版はセキュリティーの強化、サポートサービスなど企業での利用に焦点を当てている。

 Jabberでは、将来的にはインスタントメッセージだけにとどまらないような新種のXMLベースのインスタントメッセージ規格を意欲的に開発し、オープンなスタンダードを採用しながら既存のインスタントメッセージクライアントとの相互運用性を実現しようとしている。現在のところはAOLがAIMとの通信を遮断するなど、他社との相互運用性を保つことができていないが、Jabber.orgではIETFの標準を採用するなど、積極的に対応していきたいとしている。

(2001/4/20)

[Reported by taiga@scientist.com]


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