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スピードネットの無線アクセス、いよいよ5月よりサービス開始

■URL
http://www.speednet.co.jp/

26日に開かれた記者発表会であいさつに立ったスピードネットの和田裕社長。今回、席上にソフトバンクの孫正義社長の姿はなく、この後に開かれたオープニングセレモニーでビデオによるコメントを寄せるに止まった
 最大1.5Mbpsで月額4,350円──。スピードネットは26日、2.4GHz帯の無線アクセスによるインターネット常時接続サービスの概要を正式に発表した。

 5月25日に埼玉県さいたま市の一部でサービスを開始するのを皮切りに、9月にさいたま市全域、10月に東京都杉並区/練馬区、12月に三鷹市/府中市など東京都の市部と神奈川県川崎市/横浜市の一部、2002年2月に千葉県市川市/船橋市/浦安市に拡大する。

 東京電力が電柱沿いに張り巡らせている光ファイバーをバックボーンとして活用し、上記エリア内の電柱に約3,000カ所の無線基地局を設置。それぞれ半径300m~500mのユーザーを収容する。都心部についても提供を検討するとしているが、まずは電波の届きやすい住宅地でのサービスを重視した。利用には月額料金のほか、初期費用として9,900円の標準工事費と3,000円の契約手数料が必要となる。申込の受付は、同社ウェブサイトにて5月1日より開始する。

 ソフトバンク、東京電力、Microsoftの合弁によりスピードネットの設立が発表されたのが一昨年の8月。その記者会見の席上でソフトバンクの孫正義代表取締役社長は、当時試験提供が発表されていたISDNによる定額制IP接続サービスと比較し、「64kbpsや128kbpsでは、我々がサービスを提供する意味がない」、IP接続サービスの月額料金1万円(発表時)より「はるかに安くなる」とコメント。通信速度面でも料金面でも圧倒的なコストパフォーマンスを誇る常時接続サービスを予定していることをアピールした。それが2000年から提供されるというから、特に個人ユーザーは大きな期待を抱いてしまったものだ。

 しかし、サービス開始が当初の予定よりも遅れ、その間に競合サービスとなるADSLが大きく先行した。今回発表された最大1.5Mbpsで月額4,350円というメニュー設定を見ても、ADSLが普及しつつある今では、それ自体は当時ほどのインパクトはない。確かに、スピードネットの月額料金にはネット接続や機器使用料がすべて含まれており、加入者電話の基本料金やモデムレンタル料が別途必要となるADSLよりも割安感はある。「現在でも、ISP含めてこの低料金で提供できるのは当社だけ」(馬場博幸・スピードネット常務取締役)というのも事実かもしれない。しかし、ISDNによる定額制IP接続サービスだけを相手に、コストパフォーマンスだけで強みをアピールできた2年前と状況は大きく変わってしまった。

 もちろんそれは、同社自身認めているところだ。エリア展開計画からもそのことがうかがえる。今回発表されたサービスエリアは、「他のサービスがなかなか向かわないエリア」(和田裕・スピードネット代表取締役社長)という観点で検討されたものだという。ADSLでは電話局から距離があるなどの障害があり、無線のほうが有利と思われるエリアで勝負しようというわけだ。

 さらに、無線方式だけでなく、光ファイバーやメタルケーブルによる有線アクセスも提供。サービスのバリエーション面でも先行サービスに対抗する。FTTHによるさらに高速なサービスや、逆に低速で安価なサービスも考えられるという。まずは今夏よりさいたま市、杉並区、練馬区の一部で有線方式による最大10Mbpsのアクセスサービスを開始する。料金は未定だ。

 このほか、「法人向けも避けて通れない」としており、メニュー化を検討していく方針だ。また、既存ISPにアクセス回線のみを提供する事業についても検討に入っているとしている。

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(2001/4/26)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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