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■URL
http://www.ntt.co.jp/news/news01/0104/010427.html
NTTは27日、検索依頼や結果の通知などP2P(Peer to Peer)に必要な通信プロトコルを提供する新技術「SIONet」を開発したと発表した。個人間の情報授受はもとより、企業のコラボレーションや分散コンピューティングなど、用途をファイル交換に限定しないP2Pサービスが実現できるという。
P2Pというと、NapsterやGnutellaなどのファイル交換を目的としたソフト/サービスが代表的だが、これらはファイル交換のためのサービス部分とP2Pのための通信プロトコル部分が一体化されており、それぞれ用途が限定されてしまう。また、異なるサービス間での連携も困難だ。
これに対してSIONetは、P2Pの基盤となる通信プロトコルを分離したもので、これを共通プラットフォームとしてさまざまなP2Pサービスを連携できるようになる。扱うデータには属性を表わした“意味情報”が付加される一方、ネットワークは“イベントプレース”という単位で論理的に分割される。これにより、あらゆる属性の情報をすべて一つのオープンなネットワーク上でやりとりするのではなく、流通する範囲を意味情報に応じたイベントプレース内に限定できるようになる。例えば音楽情報のやりとりは音楽のイベントプレースで、不動産情報は不動産のイベントプレースで流通させるといった具合だ。異なるイベントプレース間でも情報の流通は可能だが、そこにゲートウェイを設けて情報をフィルタリングすることも可能。これにより、特定ユーザーのコミュニティ内だけで情報をやりとりできるイベントプレースを構築することも可能になる。NTTでは今後、SIONetを利用したサービスの開発を進める予定だ。
(2001/4/27)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]