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■URL
http://www.jabber.com/news/release_050701.shtml
http://www.francetelecom.fr/
仏France Telecomの研究開発子会社であるFrance Telecom Technologies は7日、米Webb Interactive Servicesの保有するインスタントメッセージ企業Jabber.comに対して700万ドルの出資を行ない、23%の株式を取得したことを明らかにした。
France Telecom Technologiesは、France Telecomが研究開発による技術を補完するような技術を探し出し、そこに出資することによって同社の技術的な基盤を強固にする役割を負っている部門。今回Jabber.comに出資したのも未来のIP通信時代にインスタントメッセージプロトコルが極めて重要な役割を果たすと考えたからだ。両社は今後、Jabberプロジェクトが推進しているXMLに基づいたオープンなインスタントメッセージの標準規格を共同で推進していく。また、Jabber.comをヨーロッパ市場におけるメッセージアプリケーションのリーダーと位置づけ、音声通信や携帯電話による通信技術の融合も検討していく。
France Telecomのインターネットマルチメディアサービス研究部長であるPatrick Puges氏は「France Telecomは独立した相互運用可能なテクノロジーソリューションの戦略的な価値に確信を抱いており、インスタントメッセージ分野においてオープンソースを推進していくというJabberの努力を今後もサポートしていく」とコメントした。
インスタントメッセージ分野においてはAOLやMicrosoftなどがそれぞれクライアントのシェア争いをしている。オープンなプロトコルを策定したいとの努力をMicrosoftを含む多数の企業が表明してはいるものの、今のところ進展ははかばかしくない。また、AOLは逆にプロトコルを企業の財産として公開せず、リバースエンジニアリングをして相互運用を図ろうとする企業との間で“いたちごっこ”ような争いが続いている。それに対してオープンソースなインスタントメッセージソリューションを開発しているJabberプロジェクトは「インスタントメッセージ技術は、メールやWebといった基本的なインターネット上のプロトコルと同様にオープンでなければならない」との考え方のもとに主張を展開している。こうした姿勢のプロジェクトがFrance Telecomのような大手企業の出資を得て、日の目を浴びることは今後のインスタントメッセージ市場に大きな影響を与えるだろう。
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(2001/5/9)
[Reported by taiga@scientist.com]