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■URL
http://www.borland.com/about/press/2001/del6released.html
米Borlandは、同社のRAD開発環境のDelphiをバージョンアップした「Delphi6」のWindows版を米国で発表した。
Delphi6は、XMLやSOAPを用いたWebサービスアプリケーションを余分なコードを書くことなく容易に構築できることを目標とするRAD環境。Delphi6ではオープンな業界標準となっているXML、SOAP、WDSL、XSLをサポートするほか、Microsoftの「.NET」やBizTalk、Sun MicrosystemsのONEにも対応したWebアプリケーションを開発できるようにしている。
Delphiは、Webサービスが容易に構築できるよう主に3つのフレームワークを用意している。BizSnapは企業間のビジネスプロセス統合のために使われるアプリケーションをオープンスタンダードであるXMLやSOAPを使って構築できる環境を提供する。WebSnapは、現在主流のWebアプリケーションサーバーであるApache、Netscape、Microsoft IISを利用して、コンポーネントベースのWebアプリケーションを開発できるようにする。またDataSnapは、市場で主流となっているOracleなどのデータベースに対してXML、DCOM、CORBAなどを使ってクエリーを送ることもできるようなWebサービスアプリケーションを構築できるようにする。また、Borlandは、すでにLinux用のRAD環境のKylix(Linux版Delphi)を発表しているので、Windows用のDelphiで作ったアプリケーションをLinux向けに容易に移植することのできるメリットもある。
Microsoftは、.NET戦略を通して熱心にWebサービス環境を推進しているが、まだ開発環境はベータ版のままで正式版は今のところリリースされていない。これまでにもXMLやSOAPを用いた開発環境は存在してはいたが、主要ベンダーでこうしたRAD環境を発表したのは実質的にBorlandのDelphi6が初めてと言える。
(2001/5/14)
[Reported by taiga@scientist.com]