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■URL
http://www.jnsa.org/nsf2001/
警察庁・坂明氏
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日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は16日、ネットワークセキュリティに特化したカンファレンス「Network Security Forum2001」を開催した。「普及期を迎えたインターネット社会のセキュリティを考える~社会基盤として、制度として、そして技術は~」をテーマに、さまざまなセッションが行なわれた。会期は17日まで。
初日には、警察庁生活安全局生活安全企画課セキュリティシステム対策室長の坂明氏が「サイバー犯罪の動向とセキュリティ対策」と題し、サイバー犯罪の動向・分析およびサイバーセキュリティ確保のための取組みなどについて解説した。
坂氏によると、ネットワーク上の脅威を示す1つの指標であるハイテク犯罪相談件数は、平成12年は1万1,135件で、平成11年の2,965件に比べ4倍強になっているという。内訳は、「違法・有害情報に関する相談」が2,896件と最も多く、以下「名誉毀損・誹謗中傷に関する相談」、「詐欺・悪徳商法に関する相談」と続く。特に、急増しているのが、「インターネットオークションに関する相談」で平成11年には24件だったものが、平成12年では1,301件となっている。オークション利用者の増大とともに、相談件数も急増しており「今後も増加曲線は衰えない」と指摘した。
また、不正アクセス行為の発生状況とその特徴も紹介。平成12年の不正アクセス禁止法違反検挙数は67件で、犯行の手口は、ユーザーのパスワード管理の甘さにつけ込んだID・パスワードの入手とクラッキングツールによるパスワード入手・セキュリティホール攻撃がいずれも14件でトップとなっている。このような不正アクセスに対する防御上の留意事項として坂氏は、情報セキュリティリテラシーの向上やアクセス管理者のセキュリティ施策の徹底、推測されやすいパスワードの解消などの識別符号の適切な管理を挙げた。
また、坂氏は「犯罪に対処していく立場からすると犯罪者は常に弱いところを狙ってくる。安全なネット社会を築くためには安全を戦い取る必要性がある」とし、企業はセキュリティポリシーの重要性を認識し、サイバーテロが起きた際の不足事態対応計画を考慮すべきと強調した。
なお、「Network Security Forum2001」では、JNSA企業による展示のほか、17日には「攻撃手法の動向と実演」といったセッションも予定されている。
(2001/5/16)
[Reported by moriyama@impress.co.jp]