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■URL
http://www.cidf.org/ (コンテンツIDフォーラム)
総会の冒頭で挨拶に立ったcIDf会長の安田浩・東京大学教授 |
“コンテンツID”にるデジタル著作物管理の枠組みを検討しているコンテンツIDフォーラム(cIDf)は、コンテンツIDを管理業者を認定する機関「RA(Registration Authority)」の実証実験を今秋にも開始する。24日に開かれたcIDfの総会で計画が発表された。
著作物やデジタルデータなどにIDを割り振り、これを拠り所としてネット上で流通・管理しようという試みはすでに始まっている。しかし、これらは音楽や映像などのカテゴリーごとに別々の組織によって運営されており、IDの体系もばらばらだ。その一方で、今後ブロードバンド化が進み、ネットによる著作物の流通が求められるようになれば、メディアや流通形態ごとに独立していた従来のID体系では混乱が起きてくる。
このような状況に対してcIDfが提唱しているのが、“メタID”とも言えるコンテンツIDの標準化だ。実際にコンテンツにIDを割り振る「コンテンツID管理センター」の上位機関として、非営利のRAを設立。RAが個々のコンテンツID管理センターに対して「センター番号」を発行するという枠組みとなる。各コンテンツID管理センターは、割り当てられたセンター番号とそれぞれ独自の体系で定義したIDを組み合わせてコンテンツにIDを割り振っていく。これにより、コンテンツID管理センターが複数あったとしても、コンテンツに割り振られたID自体は全世界でユニークなものとなる。
コンテンツIDを埋め込む電子透かしについても“実透かし”と“メタ透かし”という2階層構造を採用する。コンテンツID管理センターは、それぞれ任意の透かし技術を使ってIDをコンテンツに埋め込むことができる。これが実透かしだ。一方、コンテンツに使われている透かし技術を識別するために埋め込まれるのがメタ透かしだ。メタ透かしに採用される透かし技術はRAによって管理される。ユーザーは、メタ透かしと実透かしを順にたどっていくことで、そのコンテンツの権利情報を参照することができるわけだ。
cIDfでは現在、RAの運用方針について検討を進めており、この夏にもルールを策定、11月から12月にかけて実証実験をスタートさせたいとしている。実験の管理はデジタルコンテンツ協会(DCAj)が行ない、NTTデータがシステム開発を担当する。cIDfもこれに協力し、さらにcIDfおよびDCAj会員企業/団体やコンテンツホルダーなどの参加を見込んでいる。なお、同日開催されたcIDfの幹事会で、RAを運用するNPOの設立へ向けて、デジタルコンテンツ協会がその推進母体となることが承認されたとしている。
cIDfの総会が開かれた東京都江東区の東京ファッションタウンでは24日から25日まで、cIDfも共催する「Content Management Forum 2001」と、ストリーミング専門の展示会/カンファレンス「Streaming Media Preview Japan 2001」を開催。コンテンツID技術のデモンストレーションも展示されていた。入場料は1,000円 |
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(2001/5/24)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]