【NetWorld+Interop 2001 Tokyoレポート】

WIDE、NSPIXP-2を複数の拠点に分散拡張 ~IPv6実用化に向けた実験運用を開始

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http://www.wide.ad.jp/

村井純氏
 WIDEプロジェクトは6日、「N+I」会場で、同団体が運用するインターネット相互接続ポイント(IX)である「NSPIXP-2」を複数の拠点に分散拡張し、IPv6の実用レベルでの対応を可能とするための実験運用を開始したことを発表した。

 「NSPIXP-2」は50社以上のインターネットサービスプロバイダー(以下ISP)を相互接続した国内最大規模のIXで、1996年10月より東京・大手町のKDDI大手町ビル内で運用されている。今回は東京都内の光ファイバー供給が潤沢になってきたことや、データセンターなどを中心としたコンテンツの広帯域化を受けて、より大きいトラフィックに対応するため分散拡張する形となった。また同時にIPv6の実用レベルでの利用にも対応するという。

分散拠点との接続図
 WIDEプロジェクト代表の慶應義塾大学・村井純教授は、今回の分散化について、「これまでのインターネットは細かいトラフィックが積み重なっていたが、今後はビデオ・オン・デマンドなど、一発で巨大なトラフィックが発生する状況が予想されている。現状では未知の領域ともいえるが、NSPIXP-2の分散化でこうした状況に対応できる技術者の育成やノウハウの蓄積を行なっていく。今回の分散拠点を設ける港区・千代田区などは、東京の中で一番大きいトラフィックが発生する地域。ここで信頼性の高い運用をすることで、世界中のIXに対して大きな貢献ができることを期待している」と述べた。

 今回の分散化に協力したのは、レベルスリー・コミュニケーションズ、MCIワールドコム・ジャパン、三菱電機情報ネットワーク、NTTコミュニケーションズ、東京通信ネットワークの5社。各社のハウジング施設等とKDDI大手町ビルを光ファイバーでスター型に接続し、そのうえでGigabitイーサネットで4~8Gbpsの帯域で相互接続している。2001年末までにさらに分散拠点を拡大し、また10GbpsのGigabitイーサネットも来年には実用化する方向だ。

(2001/6/6)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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