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株式会社情報通信総合研究所は13日、ブロードバンド・インターネットの料金変動およびユーザーの利用意向に関する調査結果を報告した。料金調査では、日米の価格格差が接近しており、特にADSLでは日本の方が安いという逆転現象が明らかになった。
調査によると、日本のブロードバンド通信事業者が料金の値下げを続けているのに対して、米国では値上げされており、その格差がほぼ解消されたと結論している。特にADSL分野において、日本の平均料金は2000年8月で6,760円だったのが、2001年7月の予価で5,429円と19%値下げされたのに対して、米国では5,142円から5,934円へと15%値上げされた結果、日本の方が安くなった。また、CATV分野では、日本側が5,900円のまま据え置かれていたのに対して、米国では4,746円から5,182円へと9%値上げされている。情報通信総合研究所では、日本の値下げ状況を「コストを積み上げて設定した金額というよりは、ユーザーが支払える限度額に設定された結果」と見ており、今後業績の悪化などで値上げに転じた米国と同じ道を進む可能性は否定できないとしている。
また、あわせてユーザーの利用意向調査も実施された。この調査では、ユーザーは「値下げ」を評価しており、それがブロードバンドの利用を促進しているという。また、およそ73%のインターネットユーザーがブロードバンド環境を利用したいとしており、そのうち約20%が「すぐに利用したい」としている。さらに、ブロードバンドインターネットに求める速度は、1Mbps以上が58%を占めており、そのうち30%が5Mbps以上を求めている。
今後の課題として、ユーザーが求めておるものは大きく3つだと結論している。まず第1に、不正侵入やなりすまし対策、プライバシーの保護としったセキュリティの強化、第2に魅力あるコンテンツの充実、第3に速度の安定性や高画質動画が見られる速度の提供、サービス提供エリアの拡大といったインフラの強化としている。情報通信総合研究所では、「e-Japan構想では、通信インフラの整備支援策ばかり強調されているが、魅力あるコンテンツ、例えば電子政府やコンテンツ流通のための法整備などが必要だ」としている。
(2001/6/13)
[Reported by okada-d@impress.co.jp]